もぐらのはなし2
もぐらは、さっきまでお昼寝していた一番目の穴を、よーく見てみました。
よく見ると、なんだかデコボコで、片側がまぁるくなっているのに
その反対側はまっすぐだったり、あっ!足元にはたくさんの小石があって、とがったのもあります。
「どうりで、さっきお昼寝した時、背中が痛かったわけだ」
もぐらはまず小石を取り除くことにしました。
小石や、木のかけらは探せば探すほど、たくさんあって、なかなか取りきれません。
もぐらは1つ1つ、ゆっくり時間をかけて、取り除いた小石や、木のかけらを取り出します。
ふと、気が付くと、太陽が西のそらにしずみかけていました。
「ああ、もう今日が終わるぞ。また明日にしなくちゃ。」
もぐらは、そうつぶやいて、お弁当やコップを赤いリュックサックに大事にしまって
とびきり上等なスコップから泥のかたまりを取って、穴からはいでました。
暗くなってしまうと、ふくろうさんに叱られちゃう!
穴からはいでたもぐらは、急いで谷を走り、ラプタラの森へ帰りました。
「ふう、ふう、ふう、もうちょっとでラプタラの森だ。」
ラプタラの森のはずれは、もうみんなとっくに帰ってしまいだれもいません。
たくさん走って、やっとラプタラの森に着くと、まっすぐおうちへむかいます。
七色樫の根元にある、おうちに着くと、もぐらはリュックサックをおろして
お弁当とコップをかたづけ、泥だらけになった手と足と、だいじなとびきり上等のスコップを洗いました。
「うわぁ、つめの中も真っ黒だよ!スコップもきたなくなっちゃった!きれいに洗おう。」
ごしごしと、あわあわと、手も足も、そしてだいじなだいじなとびきり上等のスコップもきれいに洗いました。
全部きれいになったので、もぐらは晩ご飯を食べて、今日一日のことを考えました。
「今日、ぼくは100までの道をつくったんだ。そして最初にもどって点検した。そしたら全然きれいじゃなかったから、きれいにすることにした。きれいになったら次の穴もきれいにしよう!」
おふろに入って、かみさまのおはなしを聞きにいく前に、日記を書こうと思ったもぐらは、
ベッドにぴょんっ!と飛び乗って、ペンを持って日記を開きました。
外からがやがや声が聞こえます。おや?おやおや?
小さなまどから、明るい太陽のひざしが入っています。
「あれれ?ぼく、寝ちゃったんだ!もう朝になっちゃった!かみさまのお話聞けなかったんだ!」
もぐらは少し残念だったけれど、昨日はとっても楽しかったし、疲れちゃったからしかたないなと思いました。
さあ、また新しい一日が始まります。
もぐらは大急ぎで朝ご飯を食べて、お弁当を作り、リュックサックにお弁当とコップを入れて外に出ます。
「あっ!いけない!きれいに洗ったとびきり上等のスコップを忘れちゃった!」
あわてて取りに戻り、かけあしで谷へ向かいます。
ラプタラの森は、もう、しん、としてだれもいませんでした。
ラプタラの森のはずれでは、みんなが、わいわいがやがや、楽しそうに穴を掘っています。
「おーい、もぐらくん!おはよう!」
いのししが手を振っています。
「いのししくん、おはよう!」
「もぐらくん、おそいおそい、もうみんな穴を掘り始めてるよ。」
「うん、ちょっとねぼうしちゃったんだ。ぼくもこれから掘るよ。」
急いで、谷へ向かうもぐらの耳に、動物たちの話声が聞こえます。
「私、あと一つで100の穴が出来るわ!」
「ぼくなんて、あと穴半分だよ!」
「ぼくは100の穴を掘り終えたから、しかくんの手伝いをしてるんだ。」
「ねえ、たくさん知ったよね!」
「うん、たくさん知ったね!」
もぐらはびっくりして思わずとまってしまいました。
「みんなはもう100の穴をほとんど掘ったし、知らなければならないことを知ってるんだ!」
こんなに素敵な朝なのに、なんだかもぐらは哀しくなってしまいました。
けれど、せっかくお弁当も作ったし、昨日の続きをしたかったので、気を取り直して谷へ向かいました。
足取りはかろやかではなかったけれど、力強く歩いて、もぐらは谷まで行きました。
「そうだ。ぼくはゆっくりなんだもの。しかたないよ。時間がかかったっていいや。ぼくはぼくの穴を作ろう。」
もぐらはそう言って、今日もまた特別製の大きな素敵なサングラスをかけて穴をていねいに、きれいにしました。
お昼を食べて、お昼寝して、太陽が西に沈み始めるまで、ゆっくり、でも一生懸命穴をきれいにしました。
今日が終わりかけた、その頃、やっと1つ目の穴がきれいになりました。
「やったぞ!この穴はもう完璧だ!ぼくがいつも作るどんなトンネルにも負けない、きれいで完璧な穴だ!」
もぐらは嬉しくて、笑いながら、谷の底でくるくると踊りだしました。
くるくるくるくる、ぴょんぴょんぴょんぴょん!
「はぁ、はぁ、いきがくるしいや!でも、とっても嬉しいぞ!」
たった1つの穴だけど、もぐらはとても嬉しくて、明日もあさってもずうっと頑張ろうと心に決めました。
2008年7月1日(火)AM:11:06に上げた記事。
自分だけが、取り残されるような感覚を持ったもぐらの行く先は。
もぐらは、追いつきたいのか。もぐらは何がしたいのか。
もぐらは1匹になって考えます。
もぐらの穴掘りはまだ始まったばかり。
ていうか、続き書こうと思いつつ、なんだか脱力中。
やっぱり夏バテ気味なのか。夏嫌い。夏って、いつも気分の調子が悪くなる。