されど君は微笑む / 北方謙三
著者: 北方 謙三
タイトル: されど君は微笑む
ハードボイルドです。
「約束の街」シリーズの6冊目。
久納一族が支配する街、S市。一組の男女がやってきたことから、物語は始まる。
久納兄弟間の確執。それにからむ後継者問題。
男が戦うべきとき。そして男を、男にする女。
北方謙三らしさ全開です。
生きていることに、どれほどの意味がある。ぼんやりと、そんなことを考えた。このまま眠るように死ねるなら、それはそれでいいではないか。
しかし、何かが動いている。躰の底で動いているのか。それとも、心の底で動いているのか。
立っていた。
でもこのシリーズや作風になれていないとつまらないかも。
北方ハードボイルドのもう一つの代表的な「ブラッディ・ドール」シリーズから川中、坂井が出張ってきているので、なおさら。
ちょっとした仕草の描写で、川中だ! とか坂井だ~♪とかすぐにわかる。やっぱり、イイ。本来の「約束の街」のメンバーが霞んでしまうほど・・・。
これはもう、「ブラッディ・ドール」外伝みたいなもんかもしれない。
本音を言うと、坂井だけでおなか一杯です。
水村が煙草をくわえ、坂井がジッポで火をつけた。儀式のようにさえ、それは見えた。
身 悶 え し ま す 。
水村が「ブラッディ・ドール」のあの人の弟だから、なおさら。
ちょびが北方ハードボイルドで一番好きなのは、「ブラッディ・ドール」シリーズの2作目、「碑銘」。1作目の「さらば、荒野」を読まなくても1冊で面白いですヨ♪
入門編としてぜひどうぞ(笑)