ドラゴンヘッド / 望月 峯太郎
著者: 望月 峯太郎
タイトル: ドラゴンヘッド 全10巻
映画化されているときに物語の設定に興味を持ったものの、映画自体には興味をもてなかったので結局原作も未読のままだったマンガ。
修学旅行帰りのテルたちを乗せた新幹線は、突然の大地震によってトンネルの中に閉じ込められてしまう。生存者は3人。
助けは来ないのか? ここから脱出する方法は? トンネルに入る前に見た、あの巨大な火柱はいったい?
そして、生存者の一人、ノブオはだんだん狂気に取り付かれていく・・・。
評価は分かれると思います。ちょびの中でも賛と否が入り混じっています。
どうして主人公たちは安全かもしれない西日本へいったん避難して情報集めたりしないで、そんなにかたくなに東京へ急ぐのか、とか。実際にこんなことが起きても、日本人ならこんな行動を取らないだろう、とか。
醒めた目で考えるとそういうことになるんでしょう。
でも、このマンガは「もし、日本が壊滅状態になったらどうなるか/どうするか」というマンガではないと思う。読者に求められている視点は「自分だったらどうするか」というのではない。
不安、恐怖、狂気、そして絶望。
このマンガは、怒涛の展開とストレートな感情を描写することで、読者を主人公の感情とシンクロさせ、最近では滅多に感じることのないそれらの感情を読者に感じさせることが目的である気がした。
なんか堅苦しい説明で申し訳ないです。ただ、言いたいことは、
絶望を感じてください。
ということです。慣れたら結構快感です(爆)。
でも、最後では希望も描かれます。
「止めたいんだッ!! 僕に何ができるかわからないけど・・・・」
(中略)
「・・・・・・アイツら、ただ怖がってるだけだッ!!」
絶望の中、多くの人間が利己的な行動に走るなかで、テルのこの言葉に「おおっ」と思いました。
あ、登場人物の中では仁村がダイスキです。異常だけどまだ客観的な視点を持つ仁村になんだかんだ言いつつ結構救われます。あと、アコちゃんの生足がいいです。
著者: 楳図 かずお
タイトル: 漂流教室
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「ドラゴンヘッド」を読みながら
思い出していた作品。
名作です。