小学生の私はある日、友達に
「仙石線(仙台―石巻)の無人駅を数えない?」
と誘われました…
いま思えば、なんで?(笑)
だけど…当時、電車通学でもない私にとっては大冒険で(^^)
お弁当を持って、友達の待つ塩釜駅まで電車で行って…
それだって、じゅうぶん緊張でした。
そこから小学生3人組は無人駅を…
数はもう覚えていません…
お喋りに夢中になって見逃した駅は、帰りにチェックするとかなんとか騒いで…(^^)
石巻に着いて、高台にある公園でお弁当を食べました。
桜が満開で…
お赤飯のお握りだったなぁ…
きっと、ずっと昔の…
ちょうど、今頃だったんです…
いい、思い出です…

公園で遊んでいたら、滑り台の下に洋服が人の形に並べられていて…(゚o゚)(゚o゚)(゚o゚)
ビックリして、怖くて!
走って帰ってきたっけ…(笑)
…子供の怖い経験なんて、そのくらいの事であってほしいと
…そうであってほしかったと…
想わずにはいられません…
願わずには、いられません…

先週、七ヶ浜の先の塩釜まで、車で行ってきました。
一ヶ月以上経っているとは言え、私には覚悟が必要でした。
道路の表面は洗われているものの、分離帯や道の両脇には…
まだまだ大破した数千台の自動車が、そのままの状態です…
津波に押し流され、建物に突っ込んだ自動車は、そのままです…

くっそー………
噛み締めた口の端から漏れます…
道路はボコボコで、歩道に漁船も打ち上げられています。
大きな交差点で、雨の中交通整理をしてくれついたのは神奈川県警でした…
停泊したヨットはひっくり返っています…
店の前には大量の壊れた品々、閉店の貼紙…

塩釜に着いて…ああ、このにおいか…
無人駅を数えた友達の実家は留守のようでした。
すぐ横の道路は土地ごと沈み、満潮には冠水するそうです。
フェンスのほとんどは海から陸側に薙ぎ倒され、やはり車が転がっています…
でも、公園には…
そこだけ色を取り戻したように、桜が満開でした…

今年の桜は、突然咲いたような気がする…と言う人がいます。
本当にそうだ…
「いつ咲くか」「そろそろ咲きそうだ」
なんて、木を見上げていなかったから…
咲いて、突然…驚いた…

「桜が咲いたら嬉しいのかな」
と、震災後、思った記憶があります。
別に、嬉しくないんじゃないかと…思っていました。
………勝手に咲けば?
だけど…桜が咲いたら…
嬉しかった…
そこだけ空気が明るくなったようで、嬉しかった…
みんな、見てるかなー…と想いました…
ごめん、桜…

植物の力強さに…感動したわけではないのです。
植物は淡々と…繰り返しているだけです。
私たちは、いつか、自分の時間で…
植物を見上げられる日が…来るはずなんです…
きっと、きっと…!
これは、願いです…
その時も植物は、淡々と…
そこに在ってくれるんだと…思うんです。
普遍の後ろ盾のようで…心強く想えたのです。
ありがとう、桜…

震災で通信は遮断され…
たくさんの人が自分の無事を伝える手段も、
家族の安否を確認する手段もありませんでした。
夜中もつけたままのラジオは、テレビ局、ラジオ局に寄せられた…
親、子供、友達を探すメールを読み上げ続けました…
呼び掛け続けました…
電気が戻り、テレビを見ると…
ニュースの合間…もしくは、ニュースの方が合間だったかもしれません…
スケッチブックに肉親の名前を書き、持って…

「○○の避難所に無事でいます。
必ず迎えに行くから、誰々ちゃん…待っててねー…
頑張ってねー…」
「○○小学校にいます。
迎えに来て下さい、待ってますから…
誰々、頑張れー…」

もし、そこに自分がいたなら…何が言えるか…
ずっと、ずっと聞きながら…
………願いが、止まるわけがないんです。
私は、だから…
一緒に願おうと…想いました。
「頑張れー、頑張れー」
と呼び掛ける人達と一緒に、願い続けようと…決めました。
みんなが願い続ける間、私は願い続けることに、したんです。

がんばれ、がんばれ…!


先週、ガスが復旧しました…
全国から、のべ…なんと8万人もの‘ガスマン’が、仙台のガスを元に戻してくれました。
わが家は広島ガス、祖父は大阪、知り合いは愛知…
解散式で、
「感謝してもらえて嬉しかった…必ず何とかしてあげたかった…」
と泣いてくださった方…
一度に3,700人の指揮を執ったという大阪ガスの方…
ありがとう、ありがとう…

女の人は、家事でストレスが発散されることもあるんじゃないかなー…と思います。
私は掃除機をかけるのが好きで…
電気が戻ったら…真っ先に掃除機がかけたかった。
電気が戻って、ガンガンかけたかったけど…何だか勿体なくて…
照明をつけるのが申し訳なくて、
薄暗い中…よく見えないなーと思いながらかけたりして。
効率が絶対に良くないのは、分かるのです。
でも、何だかできなかった…
そして、きっと同じように掃除機をかけるのが好きな女の人に
掃除機をかけさせてあげたいなー…
と、思うのです。
掃除機をかけられるのは、幸せなんです。
掃除機をかけられる場所が在ることは、幸せです…

ガスの来ない間、母は昔とった杵柄…七輪で料理をしていました。
喜々としている訳ではなく、でも辛そうと言う訳でもなく。
意地になっているようにも見えました…

知り合いの実家は東松島にあって、
お母さんは、昔から牡蛎の殻剥きの仕事をしていました。
津波で家の一階部分が流され…お母さんは、まだ見つかっていません。
間一髪で2階に逃げられたお祖父さんの話しでは…
お母さんは…
地震の後、台所でお握りを作っていたのだと言います。
避難して、ご飯が食べられないと困るから…と。
お祖父さんを2階に上げた直後、タンクが窓を突き破って流れ込んできたのだそうです…
その話しを聞きながら…母は、
「いっつも、家族のご飯の心配をしてたんでしょー…」
と呟きました…
母同士に分かる気持ちなのだろうと…思いました。
「どうして早く逃げてくれなかったのか…」
なんて…言えません…
ただただ、涙が流れてきます…


清志郎さんだったら何て言うか…何をするか…
考えないわけじゃありません。
分からないなぁ…
わーっ!こう来たか!って、なるなぁ…(^^)
でも…言葉に出来なくても、分かる‘感じ’がします…
いつものことですが…違っていても、怒ったりしないと…
その‘感じ’は、きっと、行動を起こさせるチカラがあります。
そのチカラが起こした行動は、きっと、間違っていないと思うんです。

人それそれ、出来ることは違うけど…
頑張ろうとしたって、できないことばかりだけど…
起こした行動は、きっと間違いではないと…思うんです。

明日は、大学時代の友達が集まってくれて…
石巻まで行ってきます。
私は足手まといにならないよう、迷惑を掛けないよう…
ここで、日本中から東北を、宮城を想ってくださっている皆さんの…
まったくチカラ及ばない私ですが…
想いと一緒に、行ってきます。



2009年5月3日、石巻のコバルトラインまで…
GODを聞きながら、
サングラスを外さないで…
タワレコのTシャツを着て…
ひたすらドライブしました…