今日はアドラー心理学会から学会誌が届きました

 

 

長いこと、ゆうれい会員みたいな感じで

ほとんど活動していませんが

コロナ前までは、お友だちが開いた親子関係プログラム後の

振り返りに参加して、いっちょ前に意見を言ったりしていました

 

コロナになってからも「ゆかりさんに相談したら!」と勧められたという人と

ZOOMで子どもさんのことについて、お話をしたことがありました

 

私自身は、大したことをしているわけではないのですが

お互いにアドラー心理学を学んでいるおかげか?

話をしているうちに、相手の方がアドラー心理学の学びの中で

その人なりの答えを見つけてくれたような気がします

 

 

私自身、アドラー心理学を学んだことで

色々なことを整理して考えられるようになりました

 

友だちや同僚の先生、たくさんの人たちに

アドラー心理学を勧めていた時期もあります

 

それでも、アドラー心理学は日本ではずっと

マイナーな心理学でしたが

岸見一郎先生の「嫌われる勇気」のおかげで

多くの人たちに知られるようになりました

 

 

 
 

 

 

この本がベストセラーになった後

アドラー心理学を冠した本がたくさん発行されましたね

そういう本はほとんど読んでいなかったのですが

公認心理師試験を終えた後

アドラー心理学会の外の人たちが

アドラー心理学について、語っていたり

YouTubeで発信している様子を見るようになりました

 

 

その中で、ずっと違和感を感じていたことがありました

それは「課題の分離」について・・・

 

様々な問題を考えるときに

「それって、誰の課題?」と考えること

 

嫌われる勇気の中で取り上げられて

多くの人に知られるようになりました

 

最近、読んだ本

 

 

 
 
 
 
 

 

とても学びのある本でした

 

帯にも「世界から押し返される」経験の減少が

「思い通りでないと耐えられない」心を生む

 

昔なら、当たり前に「ダメ」と言われていたのに

「叱らない育児」みたいな風潮で

叱られた経験がない子どもが増えている

 

「叱られる」って「世界からの押し返し」

 

「世界からの押し返し」で思い通りにならない気持ちをおさめたり

挫折を味わって、それを乗り越えていくことで

社会に適応していく・・・

 

 

内容的には、本当におもしろい本だったのですが

途中、あることが引っかかって

3日ほど、読み進むことが出来なくなってしまいました

 

それは、コラム「それって誰の問題?」というところを読んでいた時です

 

「課題の分離は、オーストラリアの精神科医である

 アルフレッド・アドラーが提唱した概念です。」

 

違うよ!

「課題の分離」はアドラーが提唱したモノではないよ!

 

故野田俊作先生がかつて「課題の分離はアドラー心理学じゃない」と

おっしゃっていたのを、聞いた記憶があるんです

 

テレビやYouTubeなどで、そういう言い回しを聞くたびに

 

「ちがう!課題の分離はアドラーが提唱したモノじゃないのに・・・」

確かに先生は言っていたのに・・・

 

でも、私の記憶にあるだけ・・・

ずっと、ひっかかっていました

 

 

ずっと、引っかかっていましたが

 

 

 

今日、届いた「アドレリアン」の中で

向後千春先生が

「課題の分離」の出自と変遷についてという原稿を投稿しておられました

 

 

学会誌の内容なので、こちらでは紹介できませんが

やはり、「嫌われる勇気」の中での「課題の分離」の紹介のインパクトが

強かったために、誤解されてしまったみたいでした

 

「課題の分離」ということばは野田先生がPassegeというプログラムを作るときに

初めて使ったことばですが、もともとは別の学派の人が「問題の所有者」ということばを使って

親子の課題を分けたことが始まりのようです

 

 

「課題の分離」はアドラー心理学の概念ではなかった

 

すっきりしました!

 

私の記憶では、野田先生が

「西欧人はもともと、個人主義だから、誰の責任(Responsibilty)か?」って分けて考えられるけれど

 日本人は、子どもの問題と親の問題を

 ごちゃごちゃに考えて、子どもの課題に口出しをしてしまう

 だから、いったん課題の分離をしたうえで

 子どもの課題は何で、親の課題は何?って整理したのちに

 話し合いをして、親子で協力する。

 課題の分離がゴールではなくて、親子が協力することが大切なんだ」

というようなことをおっしゃっていました。

 

 

 

そのための家族会議だったんだなあ・・・と

すっかり子育ても終わってしまった今

やっと、わかった気がします

(遅すぎる!)