ついに手術が始まりました。

 

わたしの頭の中では

ドラマの手術シーンが再生されておりました

 

なんか

違う・・・

 

「メス」

「はい」

「○○」

「はい」

「××」

「はい」

(用具がメスしか思いつけない)

短い会話の中、金属トレーに用具を置くカチャカチャという金属音的なものがしょっちゅう聞こえる・・・

というのがドラマから得たわたしのイメージだったんですけど。

 

シーン。

めっちゃ静か。

 

わたしの心音の「ピッピッピッピッ・・・・」という音しか聞こえない・・・

(これもドラマでよく聞く音ではあるが)

 

そしてBGMでビートルズの曲が流れていた。

 

緊張。

やっぱりしゅーっと切られる感覚はあるんだろうな ←ない

少しは痛いかも ←痛みはない、というか気づかない

 

ビートルズの曲は進み

背中でしずか~に

何かごそごそやっている気配。

 

いつ、始まるの?

 

中身をぐりぐりされている感じが

ずーっと続く・・・

 

 

そして気づいた。

 

もう

始まってる。

 

 

麻酔ってスゲー!

 

でもね

麻酔って

何も感じないのかと思っていたけど

そうじゃなかった。

 

痛みはないけれど

体の中を探られている

こねくりまわされている

奥に何か突っ込まれてる

 

という感覚はある

 

そしてビートルズは終わり別の曲(多分)

 

体の中を探られている

こねくりまわされている

奥に何か突っ込まれてる

 

が、エンドレスにリピート

 

一周回って再びビートルズの曲もリピート

(あまりにもかすかに流れているので気を抜くと流れていることを忘れる)

いや、気を抜いてもいいんだけど

曲はどうでもいいんだけど

 

3回くらいビートルズを聞いて思った

「いくらなんでも

長すぎないか?」

 

不安になって頭を動かすと

看護師さんが

「痛いですか」

と聞いてきた。

(この時すでに麻酔は2本追加で打ってもらっていた)

 

「いや、長いな、と思って」

 正直に言うと

「ちょっと長引いてますけど大丈夫ですよ」

と明るく言われた。

 

 

・・・・やっぱり長引いてるんだ。

 

 

 

後どのくらい?

 

ねえ

後どのくらい?

 

 

一番聞きたい、その一言が言い出せなくて…。

 

 

はあ~。

やっぱりやめときゃよかったかしら。

 

少し後悔を感じ始めた時

なぜか手術室の扉が開いた。

 

人が行き来する足音。

 

え。

何?

 

ドキドキしたら

心音がすげー乱れた。

ピーピピピピピピ、ピピ、ピッ

ピッ

ピッ

ピッ

ピッ

……平常心、平常心、心の乱れがすぐ音に!

 

 

辺りはとても静かです。

 

 

もしかして

摘出するべきものが

見つからないのだろうか?

 

 

わたしの脂肪腫(多分)は表面に出ていないため

場所を確認するのが結構大変でした。

何度も

「どこ?」

「ここです」

「えーと、この辺?どこですか。もう一度押さえてもらっていいですか」

「ここです!」

という会話を繰り返し

MRIも画像を見てどれなのかよくわからず、

わたしと先生で画像をガン見してクイズのように探し

(でかい病院の形成外科でそんなギャグマンガのようなことがあるのだろうか?)

 正直、手術大丈夫なのかめっちゃ不安になった

 

ということがあり

 

え。

こんなに時間たったのに

まだ見つからないの?

 

切開して

血まみれ宝探しかよ!?

 

 

ヒエ~!!

 

となりました。

 

 

マジで

血まみれだったらしく

「○○1枚追加して」

という声とともに

手術の時に上にかぶせるシートが

追加でかぶせられました。

 

正直

痛みより

不安がうなぎのぼり。

 

ああ、

いかん。

また心音が乱れる。

 

落ち着けわたし。

ここまできたらもう、なるようにしかならん!

 

覚悟を決めたとき、

また手術室の扉が開いて

足音パタパタ、人の気配。

見えないけど(うつぶせだから)

人口密度がアップした感じ。

 

「先生、手伝ってください」

「はい」

 中年男性の声。

 

まさかの

助っ人登場です!

 

え。

マジですかマジですか。

心音の爆上がりはもうだれにも止められない‥‥。

 

長くなりました。

続きは次回に。