45万円のネックレスで健康に?の最終話的なものです。
45万円の価値がある座談会という意味ではありませんのでお間違いないよう。
45万円の磁気ネックレスにビビりやっと商品ゾーンを抜け、待合室へ。
そこにはプロすぎる店員さんのお誘いをかわし、辿りついた強者たち(?)が全身で「ヒマです待ちくたびれていますオーラ」を発していました。
商品は磁気ネックレスだけではなくパールやダイヤ、そりゃもう豊富な品揃えでした。
まさに「お客様の細かいご要望にもお応えできるラインナップ」
・・・値段以外は。
この部屋にいるのは全員同じツアーの方なので、運命共同体であります。
すなわち、出発時間はみんな同じ。
出発まで何もすることがない。
そんな中にあっかるい声で店員さんが登場。
「おかげさまで今、お手続きカウンターが満杯 でございます。 申し訳ございませんが出発を10分遅らせていただきます」
「・・・・・・」
「・・・けっこういいお値段なのにお買い上げされる方がたくさんいらっしゃるんですね」
思わず向かいの席に座っている人に話しかけてしまった。
「びっくりですよねえ」
その人はお友達(多分)とお二人で参加されていました。
「基本20万前後のお値段からですもんね」
「ゼロ1個多い、って思いましたよ」
「もう完全にアウェイ・・・」
「っていうよりそんな高価なネックレスつけるなら見合った服を着ないと」
「確かに!ファストファッションの服着てダイヤつけてもイミテーションと思われますよね」
「じゃあ、バッグもそれなりのものを持たないと」
「ダイヤを買ったら服もバッグもそれなりの物を、って結局それだけじゃ済まなくなるってこと?」
「そういうことになりますよね」
「えーじゃあもう大出費じゃないですか?」
「ダイヤだけじゃ済まないという・・・」
「しかもそれだけ揃えても、行くところがない」
行くところがない!
「確かに~」
もう大爆笑の大盛り上がりです。
お互い初対面の名前も知らない人ですが。
「近所のスーパーとか意味ないし」
「持っていても意味ないわ~」
・・それが結論。
「磁気ネックレスはどうなんでしょうね」
「あ~どうでしょうね。値段知りませんけど」
「45万円ですって」←すかさず報告
「45万!?」
「えええ?」
お二人とも、もう笑っちゃってます。
「でもそれは最新モデルで一番高いものみたいで、17万ぐらいからあるみたいですよ。ここの商品は、ダイヤも磁気ネックレスも全部表示価格より3割引きになるって言ってました」
「3割引きって言ってもね~20万とか10万とか、ないわ~。磁気で温めて健康になるなら私はホッカイロでいいです。貼りまくります」
「確かに。一生分貼れるかも」
一生懸命にプレゼンし、説明をしてくれた店員さんたちには申し訳ないけれど、こういう結論になってしまいました。
そのあと「ダイヤと言えば、骨を30万で人工ダイヤにしてくれるサービスがあって私はそれをしようかと思う。お墓はいらないから宇宙葬とか海にまいてもらうとかがいい」と向かいに座っていた人が言い出し「確かにお墓は大変」という話になった。
「娘に持っていてもらう。お墓よりよっぽどいい」
「確かにすぐそばで身守り続けるということになるけどちょっと重いかも」
「重くてもいい。もうお墓とかどうすんの?お父さんがなくなった時夫の家族にお墓いりますか?誰が見るんでしょうって言ってシカトされました」
嫁の立場で勇気ある発言~!
「言ったんですか?」
「言いました。スルーされましたけど」
「いやいや、言えませんよ普通」
ということで話題はお墓になり盛り上がったのですが、磁気ネックレスは「結局デザイン代がバカ高い」という結論になりました。
でも、確かに値段が上がるほど、デザインは良かったですよ。
最低価格の数珠と比べたら雲泥の差。
そこに二十万以上の価値があるかどうかと問われたらそれは個人の価値観なんでしょうけれども。
その値段で欲しい、と思う方はもちろん満足いく買い物をされたでしょうし、磁気ネックレスも、もしかしたらすごく効くのかもしれません。
ちなみに奥様が旦那さんが目を離したすきに購入されていて、旦那さんに「いくらのどんなものを買ったの?」と追及されていました。
でも結局「無理やりじゃなくて自分が本当に欲しいと思って買ったんならいいよ」とおっしゃっていて「うおおお~心の広い優しいだんなさんだな~」と感心してしまいました。
帰りに鎮静剤を飲んで顔をしかめつつ寝ていた私ですが、色々な意味でこのツアーは面白かったです。