二度の乗り継ぎを経て現地に到着した時、右膝が激痛で「終わったな…」と絶望した。
痛くて痛くて、健常な人の半分以下のスピードでしか歩けなかった。
同じ便に乗っていた人たちはすぐに全員いなくなり、次の到着便の人たち全員にも抜き去られた。
おかげさまでイミグレーションには誰も並んでなくてちょっとだけ助かった。
「これからどうなるんだろう…」
旅を決行したことに対する後悔の気持ちで茫然自失の状態だった。
痛みに歯を食いしばり、人々に助けてもらいながら、どうにかホテルに辿り着いた。
そのままベッドに倒れ伏し、小一時間ほど爆睡。
目覚めた時、「ここが自宅だったらどれほど良かっただろう」と泣きそうになった。
自分の無謀さを悔やんで止まなかった。
翌日。相変わらず痛む脚を引きずりながらも、バスで出かけた。
そして、朽ちた城壁を見ながら乾いた風に吹かれた。
その瞬間、私は心の底から湧き上がる喜びに包まれた。
昨日までの強烈な「後悔一色」だった気持ちが一瞬にして変わった。
その豹変ぶりに我ながら心底驚いた。
単純すぎるのか、真正のバカなのか。
でもこの瞬間から、後悔の念は二度と湧いてこなかった。
毎日ゆっくりゆっくり歩き、隙さえあれば休憩しながら、自分なりに街歩きを楽しんだ。
何度も「来てよかった」と涙ぐみ、再び異国の地に立てた幸せを噛み締め、こっそり涙を拭った。おそらく健康な人には理解し得ない涙。
たった一つの生き甲斐だった「一人旅」。
私はこの圧倒的孤独感が死ぬほど好きなのだ。
よく頑張った!ワタシ!本当に!