北の大地のワイン好き 第3章ひっそりと開幕

身近な方々にはお伝えしていましたが、転職しました。

6年ほど、ワイン造りの現場に従事して感じた不安と、自分にしか出来ない事を書き連ねておこうと思います。

 

北海道に至っては醸造所を持たない場所も含めたら100以上の生産者が鎬を削っており、一人の生産者として自信のあるワインやコンクールで入賞する様なワインを作った所で、販売力のある大手メーカーや知名度のある生産者の様に、常に売れて商品が足りないという事はなかなか難しい事実。実際にこの業界に居ると、販売を課題にしていると話す作り手が多いんです。

 

そこそこの値段のワインを作り、薄利多売によって利益を得る方法。これは資金力のある大規模ワイナリーが既に市場を握っています。逆に、家族経営などの小規模ワイナリーでは最小限の利益を確保するのが限界で、生産量を増やすのは容易ではありません。一番苦しんでいるのは、中規模~小規模で素晴らしい品質のワインを作っているのに、知名度が足りずに埋もれているワインがたくさん存在している事です。

 

それなりに有名なワインショップやワインラヴァーは、その知名度というか情報を飲んでいる事が多い現実。SNSなんかでも、たとえば「あのレアなワイン、〇〇〇を飲んだ!」というだけのステータスと周りからの承認欲求の為に動いている人が多く見受けられます。自分も作り手の端くれですから、妬みで言っていると感じる方も居るかもしれません。でもそれは承知の上で書きました。

 

日本人のワイン消費量については、国税庁や統計局が示す資料などを見ると、実は微妙に増えているのが事実です。しかしほかの酒類と比較してみると、果実酒の消費というのは圧倒的に少ない事が分かります。価格の優等生でもあったチリ産輸入ワインだって円安の影響で値上がりしており、消費金額が増えている!と、さも明るい兆しを謳っていながら実際は影響無いのが実情です。

 

最近ではグランポレール勝沼の件は衝撃でした。サッポロHDに関しては最近も不動産事業から手を引く様な報道もあり、経営体質を考えたときにビール大手4社の中では4番手の規模でもあるので、経営的な見直しを行うというのは仕方のない部分かもしれません。しかし、他にも後継者不足で経営をあきらめたり、後継が見つかっても企業資本を入れて体制を作り直すといった動きが近年は頻繁に起きています。

 

大手ならともかく、中小規模のワイナリーが1本1000円台のワインを作っても利益になりません。だからといって7000円、8000円で売れるか?と言うと一部のコアなファンは分かってて買いますが、一般消費者は目も向けません。その価値がわからない、必要としないからです。たまに「飲んでないのに、高いとか勝手な事言うな!」と怒るワインラヴァーも居ますが、「そりゃお前の価値観だ」という一言で片付いてしまいます。

 

自分の場合、昨年度まで空知地区でワイン造りに携わり、運良く「空知ワイナリー協会」設立の場面にも立ち会う事が出来ました。個々の生産者が連携する事で地域と一緒に進んでいく事は大切です。でも、ワインに対する想いはそんなに強くない、いわゆる一般人からの目線で見ると、小さな小さな出来事に過ぎません。悔しいけど。

 

自分の原点を見つめ直した日。

皆さんが知っていると思う、ある有名なワイナリーの方との、たわいのない話の中で、

 「君はこれからどうなりたいの?」

 「営業も得意で衛生管理も経営判断もできるよね?かなりの強みだぜ?」

 「作るのは勉強してやれるけど、もっとあるでしょ?」

 「最終的には、作り手や販売者を尊敬するプロデューサーになって欲しいと思ってる。」

と言われた事を思い出しました。

今自分が出来る事は何か。

作り手は増えているから、無理して自分が作るよりも売る場所を作った方が良いのではないか、と。

 

こう思い立ってからは、すぐに行動を起こしました。

まずは自分を市場開拓、というか販売に専念させて貰える環境が欲しい。

でも、今の場所では製造・栽培に注力が必要・・・辞めるしかない(色々問題あるし)と。

 

そして今年からは酒販を生業とする仕事をしながらワインを中心とした酒類を提案する仕事に就き、生産者と消費者をつなぐ橋渡し役になりました。

 

生産者としては今年以降も続けていく予定で、いままで携わっているワイナリーでの醸造をオブザーバー的に支援したり、お世話になっている仲の良い生産者の元で経験を積ませて頂く予定です。また、将来的に(少しお金が溜まったら)フランスのとある生産者と繋がりが出来まして・・・渡仏する予定で、自分なりの販路が確保できてから、ドメーヌとして独立する計画となりました。

 

私が勝手に師と思っているかもしれない方の一人、2023年8月に亡くなったTAKIZAWAワイナリー創業者 滝沢信夫氏には、生前に色々とお話しを伺っていました。60歳近くになってから新しい事にチャレンジする事は本当に尊敬しておりました。何事も遅すぎるという事は無い。だったら、今の自分が出来る事、期待されている事をしっかりと取り組み、市場を盛り上げてから本当の自分のワイナリーを作ってやろうと思う。

 

 

「北の大地のワイン好き」というブログは、

一人のワイン好きが、もっとみんなにワインを飲んで欲しいという想いから、

自分で作って、現場でもっともっとPRしたいという想いに繋がり、

次は、自ら市場を開拓する場に身を投じます。

ワインを中心に、酒類全般を愛し(もちろん健康的に)、飲酒文化を盛り上げていきます。

そのうち、Youtubeチャンネルも作るつもりです。

 

すべてのお酒好きの皆様へ感謝を。

 

 

令和8年1月吉日image