久しぶりにむさぼるように読破した魔道士です。こんにちは。

気がついたら、朝でした(笑)。
その勢いで、エントリしてしまおうという魂胆です。


奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録/石川 拓治

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読み終わり、本を置いて、最初に思ったのは、「本当の意味での科学者に出会った」 ということでした。歯がない老齢の、笑い顔がしわくちゃな、作業服の男に対して、です。


物事を細分化して分析し、木や枝を見て森を見ないようなお話はよく見かけます。お医者さんに行って、風邪だというと大概、炎症止め、抗ヒスタミン剤、抗生物質、鎮痛解熱剤、そして胃腸の粘膜保護剤をもらいます。よく考えるとおかしいと感じるのですが、薬の副作用を抑える薬(粘膜保護剤)という、体を傷つける薬から守る薬を服用という矛盾にバカバカしくなったりします。風邪は良くなりますが、お腹が緩くなったりします(苦笑)。

恐らく、現代の農業も同様の事をやってきたのではないでしょうか。


本書の主人公の木村氏は、従来不可能といわれていた無農薬栽培を、リンゴの木が本来持っている 「自然治癒力」 を復活させることで可能にしました。と、一言で語れるものの、どのような道筋で辿り着いたか、涙なしでは読み進めることは出来ませんでした。

最初は、農薬を止めたことで発生する 「害虫」 を 「対症療法」 で駆除する方法を8年間模索しつつも結局は見つけられません。葉が落ち、花は咲かず、木が枯れ始めていることは明らかでした。自殺のために山に分け入り、そこで出会った害虫に犯されていないドングリの木(リンゴの木に見えた)で気づきます。「土が違う」ことに。視点を変え、「木そのものを健康にする」 ことが肝要と気づいたときに、今までの 「対症療法」で木を傷め 「自然治癒力」 を低下させ、自らが「害虫」に食べられてしまうように仕向けていたを知ります。「害虫」と見えていたものは、本当は単なる自然の構成員の一つに過ぎませんでした。


試行錯誤の歯車が噛み合うようになります。土の堅さが違うのは何故か。温度が違うのは何故か、など。PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)を回しながら問題を解決していく様は、農業者ではなく、科学者のそれでした。



無農薬・無肥料というものの意義は、単に食の安全というだけはないかもしれません。
2000年前は肥沃だった北アフリカが砂漠化した事や(古代ローマ圏だったのですね)、現代の穀倉地帯も砂漠化していることを考えますと、環境を守る農業であるのかもしれないとも感じます。




さて、仮眠をとりますか。。。(笑)。