駅で人を待っていると
少し奥まったエレベーターの乗り場の付近を一生懸命掃除しているおじさんがいた。


清掃員の格好をしているから、駅の清掃スタッフなのだろう。


誰が見ているわけでもなく、周りには人もいない



かんかんと照りつける日差しの中
せっせとデッキブラシを動かしている。


それはおじさんのやるべきことであり
お金をもらっているのだから当然やらなければならないことなのだろう。


けれどその後姿は
とても一生懸命で、見返りを求めていないように見えた。


こんなに暑かったらやる気も失せて
ちょっとくらい日陰で腰でも下ろしたくなるだろうに。


磨き終わったコンクリートを眺めもせずに
おじさんは次の場所へと移動していった。


コンクリートをごしごしとこするデッキブラシに
自分の心もごしごしと磨かれた気がした。