『アヒルと鴨のコインロッカー』 | アマヤドリ

『アヒルと鴨のコインロッカー』

淡々とした瑛太の台詞ひとつひとつの裏に含まれる切なさに気付く後半から、お願いだからそんな結末はやめて、と祈りながらひきこまれていた。

積み上げてきた時間同士がぶつかって一瞬のうちに砕け散ったとき、どうやって足を進めたらいいのか、二度とわからなくなってしまいそうだ。
冷えた部分はきっととけない。
だから、包むものを見つけるしかないのかもな。

歌や、かおりや、景色がふとなにもかもを繋げることって、ある。
なんなんだろうな、あれ。
かきむしられるみたいに激しくてずるずるととめどなく、修正が利かないところまでひっぱりだされちゃうことがある。
危うくてひりひりしていて、夜の風に涙が出たりして。
無性に隣に誰かいて欲しくて。


つくりもおもしろかったし、セリフのちょっとしたきざなところもこそばゆすぎず、優しい気持ちもくれた。
精一杯生きなあかんな、と思いました。

「え、そんなにかかるの」という椎名のセリフがつぼだった。
それから村上春樹の『パン屋再襲撃』を思い出した。
『耳をすませば』も少し。

原作も読んでみたいな。