アンコールワット2
アンコールワットは思ったよりも小ぢんまりとしていた。
やはり人間が手で作ったものなんだな。
東京でばかでかいたてものばかり見ていると、タッパと壮大さというものが混同されてしまう。
こういう女神の彫り物は胸のところがぴかぴかに磨かれて光っていた。
みんなそこを触るからなんだって。
壁には戦争の跡がこんなふうに残ってもいた。
銃弾痕どころじゃなくてカンボジアのいくつかの重要なたてものがまるっきり破壊されたりもしているみたい。
スフィンクスにナポレオン時代の銃弾の跡があるのはなんだか世界不思議発見風に面白がれるけれど、戦乱からの時間がまだ短いからか、なまなましい感じがする。
お坊さんもひとやすみ。
ガイドさんも予想していたように急に空が暗くなり雷が鳴って雨が落ちてきた。
近くの池から見たアンコールワット。
ここから朝日をのぞむ写真がよくパンフレットに使われている。
この子が持っているペットボトルはきっと売るといくらかになるんだろう。
このときじゃないけれど、水を飲みながら歩いていて小さな男の子に「その水を早く飲んでしまえ」とせかされたことがあった。
空になったペットボトルを袋に入れて少年は無愛想に立ち去った。
みんながあまやどりをしにアンコールワットの中に入ってきていた。
一気に涼しくなって気持ちが良かった。
熱くなっていた石は最初すぐに水を乾かしたけれど徐々に色を濃くしていく。
じっと見ていたかったけれどガイドさんはどんどん説明をしてくれた。
大昔に中国のひとと協力して攻めてきた敵と戦ったこと、神話のこと。
すぐに明るくなって太陽が出た。
たまった水が光をはねかえしてぞろぞろ歩く観光客の姿を壁画の上に重ねていた。
ちょうど行進をしている絵のところだったから面白かった。
カンボジアの、天使のはしご。








