影のこどもたち | アマヤドリ

影のこどもたち

雲仙だったかな。
高尾山かな。
富士山の近くだったか。
長い遠足に行った時に泊まった旅館には幽霊話がもちあがっていた。
部屋にはたまたま霊感があるという女の子がいて女の子トークをしているときに急に失神したりした。
トイレから手が出てきたらどうしようと言いだす子がいてそうしたらその恐さが何となく伝染して、みんなトイレに行くのを恐がった。
寝ているあいだ何度も起こされてつき合わされたので仕方がないからテイッシュペーパーをトイレにたくさんつめて、もう大丈夫だからね、と女の子たちを宥めた。

体育館に集められて先生か宿のひとの話を聞いているときに体育館の外の広場にほかの学校のこどもたちが遊んでいる影が映っていた。
いつのまに着いたのかな、と考えたのを覚えている。

あとになってそのときは私たちしかいなかったことを知った。
そういえばあんなにたくさんの影が見えたのに声も足音もしなかったのだった。
ガラス越しだったにせよ。
でも不思議だけど全然、そんなこと気にならなかった。
あとになってその時間に立ち返ってみてほんとだ、音がないや、と思っただけ。

今日見かけた写真 からそのことを思い出した。


よく幻を見た。
今はあまりみないなぁ。
大人になったんだな、と思う。