朝市と朝ごはん
次の朝。
前日の夜に見た蓮の花が咲き始めていた。
睡蓮と蓮が違うものだって知らなかった。
蓮の花は一日1回咲いて、睡蓮は1日に2回咲く。
つぼみのかたちも違う。
カンボジアから帰ってきてもずっと、睡蓮のことを考えてる。
そのまま朝市へ。
まだ市場が始まる前だった。
早く起きすぎたみたい。
でもいそいそと働くひとたちを見ることができた。
たくさんの果物やさかな、肉。
こんなふうに、ひとは生きていたものを食べるのだと感じさせてくれることが今の私の生活にはあまりない。
だからちょっと強烈だった。
肉のにおいや虫や、ぎゅうぎゅうになってあるいているひとびと。
野菜売りのおばさんと、時々みかけた星のかたちのかざり。
宗教に関係してるのかな。
きらきらと透明で可愛らしかった。
ちょっと小道に入った、市場でもないし屋台が並んだところでもない街の一角で朝食を食べることに決めた。
おばちゃんは最初まったく笑ってくれなかった。
口さえほとんどきいてくれなくて、いくらですかと訊ねると指を1本立てただけだった。
気まずいなー。
ちゃんと食器を洗っているのかな…このずっと外に放置していたようなスパイス類をかけて食べるのかなあ…という心配をしつつ、出来上がりを待つ。
でも実際できたものを食べてみたらすごく美味しかった。
ベトナムのフォーのようなスープにおじやが入っている。
たくさんシャンツァイが入っていてもやしとか鶏肉が入ってる。
おいしい!って伝えるとおばさんはゆっくり顔を緩ませて、これを入れろ、あれを入れてみろ、といろんなスパイスをすすめてくれた。
ぬるいジャスミンティーも出してくれた。…けどこれは水が心配だったからちょっとだけしか飲まなかったけど。ごめんね、おばちゃん。
私たちが食べている間にも何人かが朝食を買いに来ていた。
子供が買いにくる。
家族の分なのか、お弁当なのか。
おじやと、ふらっとあらわれた子猫。
ねこは友達が撮ってくれたもの。


