ひなげしはSちゃんを思い起こさせる。
だいだい色に寄った紅色なところも、細かくかろやかにフリルなところも、小さくてもぐっと艶やかに目をとらえるところも。
ひなげしを道路際に見つけるとちいさく心臓が震えて、ときが止まる。
おばあちゃんがデイサービスで作ってくる折り紙の花の球みたいに、つつじがかたまりで咲いていた。
ほかはあおあおとしているのにたった一ヶ所だけ、鮮烈な赤の色で。
たぶんもし私が子供でも、この蜜は吸わないだろうと思う。
散りぎわのさくらが夜、街頭に照らされているさまにぞくぞくさせられた。
さくらは少女であるし成熟した女性であるし骨をさらして待っているなにかでもある。