歌舞伎町、Alessio Silvestrin
昨日は友達のパフォーマンスを観に、新宿の白萩ホールへ。
新宿駅から西武新宿駅の脇のブルーバードをてくてく歩くと中学時代を思い出す。私が初めてデートというものをしたときも、この道で雨が降っていた。
物思いにふけっていると自転車に乗った若い男の人が話かけてくる。「お姉さん、ぼく昨日福岡から出てきたんだけどね…」
聞こえなかったふりをしてやりすごす。歌舞伎町でひとの声に耳をかたむけることは面倒に足をつっこむことに等しい。
アレッシオはいいダンサーだった。
腕が長い。という資質をよく生かした、からめとり切り裂き、おおきなおおきな軌跡を描く。
息がとまった。
ひとつも動きを見逃すまい、なにかヒントを得たい、と考えながらも純粋にその流れに見とれてしまう。
直線が美しい。
だから弧も美しい。
刄みたいだ。
題材がそれを色濃くしているのだろうけど、このひとにはどこか和のかおりがする。
ダンサーたちが入ってきて規制を受けながら弾けるように、磁場を切り裂きながら調和してゆく。
張り詰めた緊張。
攻防と、敏感な影響。
私はものがたりをそのまま語ることに固執しすぎているかもしれない。ものがたりは、わたしのための発露にすぎない。このからだが直接語るのはもっと、抽象でいい。
隔たったところからかたり、積もってゆくことで。
彼は道をききたかったのだろうか、と帰り道にまた考える。
けれども昨日福岡からでてきたのになぜ自転車に乗っているだ。
うん、無視して正解。
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そういえば今ピナ・バウシュが来日しているのです。
本番のため見に行けない私のかわりに、みなさん見てきて感想を教えてください。
