memo/とき
まずそこに存在しているところからはじまる。
暗闇が割れて隙間から差し込むような次の時間にひたとまなざしを注ぐ。
意志には揺るぎがないが、水平を指し示すもののない闇へさしだす足先はかたつむりの触角みたいに敏感で、おどおどしている。
そして、その水平を確信することには貪欲である。
向かうものこそが時のように思われるけれど、実際には滝のように逆行している。
見えない時間の手はわたしの腰をつかまえ、少しの隙を見せた爪先を、もってゆこうとする。
夢をふりかえる。
そして気に留める間もなく、さかのぼる。
さかのぼることが順行しているなんて、矛盾だと思う。
ひかりのなかにからだを晒したとたん影のことを思い出す。思い出したのは影だったのか、ついさっき脳をよぎった夢だったのか、わからない。
押し寄せる景色はすぐに夢の記憶を消し去ろうとする。
重くおもく、けれどからだはそのおもい闇のなかに頼りなげに浮いている。
そして、今ーわたしーを見つける。
