個体距離
たぶん、すごく疲れているんだと思う。
触れるものが多くてそこから引き出される糸もたくさん。とっかかりもちいさな手のひらをいっぱいに広げてそよいでいる。
今つかまえたいその子たちを目の前にして、はやる気持ちやエネルギーをうまく逃がすことができない。
熱は籠もるばかり。
風穴をあけたつもりがたぶん、見当違いな場所だったんだと思う。
ぎゅうぎゅうと犇めき合って、
眠りたいと思ってしまう。
いまは、この身ひとつで真っ白なシーツにもぐり込んで、とけてベッドにくっついちゃうほどに。
ほかの誰のかおりも感じたくない。
耳をふさがないでほしい。
わたしのやりかたで、呼吸がしたい。
夢をみるほどたっぷり。
…と、わがままをいいたくなる、
満員電車のなかみたいに。
けれど、これが幸せなことだともわかっている。
ちゃんとご飯を食べて(また今日もなにも食べていない)、ねむって、箱にしまって、棚を拭いてお花を差して、そして向かい合えばいいんだ。
きちっと、
窓もあけて。
