memo/ペットボトル | アマヤドリ

memo/ペットボトル


通り過ぎ、目をやったときには引き抜かれていた。
思わず追った手にも浸透し、どうしたことだろうと考えながら内に寄せる。
そろそろと、確かめるように差し出す。
滴るものを受けとめるのは左手しかない。
受けて、転がして、染みわたらずに抜けていったものが触れると同時にねじりあげる。
飛散した細かい欠片は時間を変えて、音をたてて注ぐ。
傘をそのままに、粒を避けるが、いくつかは浴びてしまう。
思い切って削ぎ落とす。
肌から離れまいとする欠片は、曲線を描いてやっと爪先から軌跡を描く。
指先に戻る雫をひきこみ、かきまぜて、最後のひとつぶを飲み込んでやっと納得する。

大きな車輪が通り過ぎた。
こぼれたものを悪戯でかきまわして、浸す。
並んで座ってみた。
追い越してみた。
どんな気持ち?
取り残されたような?
それとも他のものに馴染むのかしら。
それは大地?雲かな。
だめ、
と蓋をする。
連れてきたから、向かう先だけは知ってる。
みちすじをもどり、また新たな方向の可能性を与える。
するととたんに生きる。
弾けてまたこぼれそうになって…
受けとめる。
なんの気負いもなく迷いもなく、一部であって、けれど私の体温とは違う。


海鳴りがきこえる。