このうえなくしなやかな触肢、誓い
彼女の纏う空気はやわらかで艶めいている。
春一番の太陽にほどけるひなげしみたいに。
やわらかな手触りの服が好きだ。
ぴちぴちしていては嫌だけれどそうじゃなく、程よくからだのラインを優しく和らげるように添い、その延長と重力をからめながら落ちるような布。
なびいたり揺れたりするゆとりや装飾も好き。
風の軽さに似て、そして私の軌跡を留めるほどの重みはある。
踊るときに着る衣裳にはなおさらそれを強く求めていて、昔は分かりもしないのに気に入った布を買っては試行錯誤で衣裳を作っていた(そして生徒さんをいたずらに混乱させた。この布とこの布を縫いあわせたらつっぱっちゃって着れません!)。
彼女のつくる服には私がほしかったラインや空気に対するやわらかさ、色の余韻、がそこにあるように思えて、うれしくなってしまった。
嬉しくて空気になびかせてみたり、くるくる回してみたりして。
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たいせつにしたいと少しでも思うことは、この怠け癖やだらしなさに負けさせないようにしよう、とこころに誓う。
昔から私を少しずつすこしずつ損なっているのはそのこと自身でもあり、そこから生じる足踏みであるから。
一番苦手なところを、けれど一日ひとすくいずつでかまわないから。
