夢/曇り空とねこやなぎ、写真
写真を撮る夢をみた。
新宿のうちから北の空を見ると薄暗い雲が割れて光が射している。
手前にはふさふさとした産毛が光るねこやなぎ。
お互いの灰がかった暗さと光のまざりあいが美しかったのでカメラを手にとるけれど、ふたつを分けている電線の存在がどうも難しくてシャッターを押すことができない。
そのあともあれこれと被写体をみつけていくけれど、写真にしたとたんそこにある影の深さも光の温度もいっきに違うものに変わってしまい、ときには消え失せてしまう。
思い通りのものは撮れないものだなぁと夢のなかながら、思う。
今見ているここ、には今の私が霧のように、またはトンネルの逆につめこまれたように、対峙している。
対象一点のまわりに付随する視界に紛れてくるものも含めた景色だから、これとまったく同じものを切り取ろう、とか拡大しよう、というのがやはり無理なのかもしれないとも思う。
生きた目で見る今とはまた別もの。
だってそれはカメラをはさんで、時間をはさんで、練り直された記憶をはさんだ、別の景色なのだから。
