色に覆われる
絵画館の前のいちょう並木を散歩してきた。
絵画館は、高校の頃たまに部活のジョギングで来ていたところ。
といっても私は器械体操部だったのであまりマラソンの必要性を感じず(本当は必要なのかもしれないけれどなるたけきついことはさぼりたかった)、めったにジョギングはしなかったけど。
けれど今考えてみたらこのあたりを走ることはどんなにか気持ちよいことだろうな、と思う。
広くて、空も大きくて、みどりが覆っていて。
懐かしい景色とはいえ、あえていちょうの時期にここを訪れることはそんなになかったことに気づく。
あ、一度あるな。
私がはじめてきちんと、デートらしきものをしたのがここだったような気がする。
銀杏がたくさん落ちていてくさかったことを覚えている。
さらにひどいことに私は、素敵さをかもしだそうとしたのかどうか覚えていないが飲んだこともないハーブティーを飲んで、お腹がものすごくいたくなったのだった。
かっこわるい。
たくさんの人がこの並木を楽しみにやってきていることにびっくりした。
日曜日だということが感覚としてわからなかったのもあるし、でもなによりも、たかだかいちょう並木だよ?という気持ちがあって。
「いちょう祭り」と称して、屋台まで出ている。
ふかふかの黄色い光に包まれて、道ゆくひとみんながこのこうふくに照らされていることがうれしくなる。
こころのうちはわからないのだけれど、でもこの柔らかなあたたかみはどこかに染みているはず。
またも焼き芋を食べる。
焼き芋もこうふくのあじ。
ちいさい子もお父さんやお母さんに連れられてたくさんいた。
カメラ小僧くんはあとこのカメラがどのくらい撮れるかということを一生懸命説明していたし、
ベビーカーに降ってきたいちょうの葉をもぐもぐしたがっている女の子もいたし、
カメラを向けると何度でもぴたっと止まってくれるサービス精神旺盛くんも。
