銀座の街を歩きながら、寒いのにちっとも寒い気がしないなと思う。
読んだ本がくれたあたたかさや、新しい縁や生まれ変わった関係や感覚が、ふくふくと皮膚のうちがわを満足させている。
だから。
まいにちわたしは過ぎ去るし、まいにち生まれ変わる。
まんまるに単純な自分にときどき苦笑いするけれど、この単純さを得るための過程を思えばそれもいいか、とやわらかくごまかす。
私はぜんぜん勇敢じゃないなとときにひどくがっかりする。
やさしくてつよいひとたちにかこまれているだけだ。
それはもちろん幸せなことだけれど。
ひかりにあふれた写真を撮ろう、と思う。
ベランダのこちら側から、陽にすけた産毛をただ見るのではなく。