『キリクと魔女2』 | アマヤドリ

『キリクと魔女2』

4つの話のうち、キリンの頭に乗って知らない土地の旅をする話がものすごく好きだ。
ちいさいキリクがキリンの頭に乗るというだけでもう全然違った世界を得るのに、キリンはずっとあちこちを歩いてくれる。
新しい世界をみるどきどきや、知らない色のにおいや、恐いようなけものの声…見ていて不思議なくらい胸がつまった。
一緒に体験しているみたいに。

そのなかでも一番すごいと思ったのは瀑布を描いたシーン。
シンプルな線、たった2色の濃淡で無尽に踊る水をあらわしている。
散る水に冷やされる空気や叩かれた泥の匂いまでしてくるようだと、呆然と見つめてしまった。

アニメが表せることってこういうことなんだよ、と胸が踊った。
もちろん、実写さながらのCGを否定しているわけではない。すばらしいなと感じるものだってたくさんあるのだから。

けれど、なぜこの手法なのか。なぜこの方法でで世界を表しているのか。
モノクロで、弦で、ことばで、動きで。なんでもそうだ。
どうしてこの手段を使いたいのか。
そのことを自らが知っているひとのつくったものは、強い。
だから、まっすぐとどく。
アルバトロス
キリクと魔女2 4つのちっちゃな大冒険