『オールド・ボーイ』 | アマヤドリ

『オールド・ボーイ』

韓国の映画はいままで何故か敬遠してきたので、多分はじめて。
好きなレビューを描いているひとが見ていたからなんとなく手に取ってみた。

見たことない人でこれからこの映画を見ようと思っている人は、これから先はもしかしたら読まないほうがいいかも。話がわかっちゃうといけないから。

***

私はこの映画の一番大事なオチを知っていた。
これを見た友達がさらっとそのオチを私に教えてくれていたのだ。
ほんとうにとてもさらっとだったから、まさかそこが一番のおおきなタネだとは思わなかった…。
まあでも、知っていた私でも主人公がこの真相に気づいた瞬間、あの写真を見る瞬間は鳥肌が立った。

日本の漫画が原作になっているらしい。
そう言われてみれば終わりのほうにあるモンスターが離れてゆくシーンで浦沢直樹を連想したところがあった。(あ、でもこの原作は浦沢直樹さんじゃないです。)

見ていて、これはあまり現実味がないなあ…と感じるシーンはいくつもある。
ひとりで20人からのチンピラに勝てるわけないとか(でもこのシーンの撮り方はちょっとかっこよかった)、思いっきり背中を刺されてるのにちっともこたえないところとか、室長に投げられた後ぶつかったガラスがなぜか内側に割れたところとか。
なにより、15年も監禁された人間の思考があそこまではっきり保たれるものなのかな?意思のちから?
催眠術の登場が都合よすぎたところも気になる。
まあでも、漫画が原作ならば、ちょっと納得。
飽きることなく真相までぐいぐい引っ張ってゆく力強さはよかった。

犯人の過去には同情するけれど、どうしてここまでしなければならなかったのか、という気持ちのほうが大きい。
悲しいその出来事から復讐を始めるまでの期間、彼は何をしていたのだろうとふと思った。
復讐の相手を探していたのだろうか?だけど彼なら、もっと早く見つけられた気がする。
相手が家族を持つのを待っていた?

復讐を終えたそのときの彼の表情を見て、このひとはただの狂った仮面だったわけじゃなかったんだ、ということを感じた。
語られなかった空白の時間、彼はどうしていたんだろう。
気になる。


ちょっと私にはわからなかったんだけれど、娘さんはどうしてお父さんのことが分からなかったんだろう。
ストックホルムの催眠術師に、母を殺害されたというつらい記憶を消してもらっていたということなのだろうか。
でも、そのストックホルムのことまで忘れたの?もしくは、主人公の娘とストックホルムが結びついた時点で記憶のどこかにひっかかったりしないものなのだろうか。
最後にはそのストックホルムらしきところにいたし。

ああ、でももしかしたら最後のシーンはほんとうの景色じゃないんだろうか。


痛いいたい!って思うシーンが満載でした。
なんと言ってもこの主人公を演じた俳優さんがすごい。
最初のシーンでこのひとがだらしないおなかをしたおじさんとして出てきたとき、パッケージのこのにらみを利かせたひとと同一人物だとは思いもよらなかった。
びっくり。


オールド・ボーイって、15年で年をとったという意味かと思っていたけれど、OBのことだったんだ。


オールド・ボーイ