『花とアリス』
画面の色合いが好きだった。
映画館の後ろから宇宙みたいな青や赤が照らすシーンとか、ひなげしの咲く通学路とか、アリスの家のなかとか、電車の中の淡い影とか。
トイカメラで撮ったみたいな色。
『tokyo.sora』もこんなかんじの画面だったな。
だけど『スワロウテイルバタフライ』はこんなふうだったっけ?
高校生のころってこんなふうにわけわからなかったな。
今じゃなくて、当時でも、少しあとでちゃんと考えると自分がだいぶんずれてしまったことに気付くんだけど。だけどそのときにはぐるぐるのその上をつっぱしってる。なにが渦巻いているのかもわからないまま。
途方に暮れながら歩いて、ペンキの剥がれたのを引っ掻きながら歩いた公園のブランコや、錆のにおいのする駐車場。
照り返しにぼおっとなりながら体の芯だけ冷えたこと。
やたらと傷ついたり傷つけたりしたような気がする。
内面の混沌と格闘してやっと取り出したなにかと、それをどう表に表せばいいか、その手段を探っている時期。
エネルギーがどこにむかえばいいのかわからぬまま駆け巡って、でもそのことにも気付かずいつしかショートしたり。
でもだから、そのささくれのような毎日に、すべてを吸い込んだ。
理不尽な電話、
無意味に夜中歩いてみたり。
演じてみる。
なににたいして?
こんなふうに生きていたら、どんなふうになれるんだろう?
そんな、つくりものっぽい表面の、だけどなまなましく生きている年令を、うまく作品にしているのかもしれない。
蒼井優は本当に踊れるんだなぁ。
鈴木杏は杉田かおるに似ている。
- アミューズソフトエンタテインメント
- 花とアリス 通常版