誰もいない東京のまんなか
週末は暇です、という日記にふとこころを動かされ、急遽東京の海へ。
ゆりかもめ(いつもうみねこと言いそうになる)の先頭に乗って。
このあたりは未来だね、という。
宇宙だ。
『惑星ソラリス』みたい。
またタルコフスキーのことを考えてる。恋しくて仕方ないなら、観ればいいのに。大切なものほど遠くにおいておこうとする。
潮のかおり。
からだ全部に染み付いてしまった。
きりんをたくさん見た。
うん、あれは、水際で脚を広げて水面に口をつけるきりんからヒントを得たに違いない。
きりんたちが船にコンテナを積み上げる、重たい音もきいた。
いろんな音がする、と、その素敵な音楽をつくる友達が言ったから、その瞬間から景色には音があふれた。
波に遊ばれて哭く小舟たち、小鳥のような声をあげて軋む夜の木々。
波がコンクリートを洗い、遠くでひっきりなしに車がどこかへ通り過ぎる。
余所の土地から飛んできた飛行機。
私の足音。
海にもうすこしで触れられるところで、友達がつくった曲を聴かせてくれた。
目の前には所々小さな岩が水面から頭を出していて波がそれを洗うたびに波紋がひろがる。
ときにはあらあらしく。
ときには微かに。
広がった円がまた波にぶつかり跳ね返り、潜り、消えたようにそのエネルギーがどこかに散ってゆく。
絶えず変化して裏切って、絶妙の間で、飽きさせない。
ひずんでいても捨てている暗さじゃない。
不思議な時間をまた、過ごした。

