まもり | アマヤドリ

まもり

森をずっと走っても恐くはなかった。
幹や枝の先にはまったくひかりの届かない無のような暗がりがあるのに、全然恐いと思わなかった。
頭痛がしないから大丈夫、と思っていたのも確かだけれど、それでも、どうしてだろうとずっと考えていた。
恐さを感じる部分が鈍感なのかな。痛みやつらさを感じることに疎いように。

ふと、こいびとの部屋で眠っていてふと夜中にものすごく恐いなにかが通り過ぎてたくさん汗をかいたことを思い出した。
あのときは、私は寝呆けていてまだ自分がふにゃふにゃの状態だった。
赤ちゃんの頭のてっぺんの骨がまだ塞がっていなくて内部に通じてるように。

そうだ。
その感覚。
恐いのも、不思議なことも、私が守られるのを忘れているときなんだ。

恐くないのはあんまり曝け出しちゃうとちょっとこわいのを知ってるから。なんだな。
大丈夫なときはふたをしていられるんだ。


ときどき、感覚に耳を澄ますのにこれが邪魔だけど。