定点 | アマヤドリ

定点


夜の電車って、今見ているこのひかりがどこのものなのかわからなくなる。
夜が窓を合わせ鏡にするから。
おくゆきがわからないまま目で追って、混ざりながら走ってゆく。

あたたかそうな光をあびた滑らかな壁を見て、ああ、私はなにを今くさくさしていたんだろうなと思う。ほんの少し攻撃的な気持ち。
それが誰かに向かう前に、こうしてほどけてくらやみに連れ去ってもらえてよかった。