大阪/海遊館

はじめは鼻の奥がつうんとした。
まだ私には未来の記憶があって、そこで呼吸をすることに体の中心が抵抗したから。
硬い感触を押し戻そうとする喉をなだめながらゆっくり細く呼吸する。
空気と味が違う、と思う。空気よりもそれは鼻の奥の壁を波立たせ、冷たく、それからほんのすこし甘い。
慣れると水は空気よりもきっちりと肺を満たして染みた。内から、そとから。
体じゅうを浸されて私は前に進む。
水を呼吸する夢をときどき見る。たぶん私がまだ魚だった頃の記憶。
★ ★ ★
海遊館には観察冒険ノートみたいなものがある。
ラッコの耳は水中ではどうなっているか観察して描いてみようとか、アザラシは何秒水に潜っていられるか計ってみよう、とか。
子供むけのものみたいだったけどもちろん挑戦。
面白い格好のラッコを描いたり写真を撮ったりを差し挟みつつ楽しみました。
これ、子供じゃなくても大人でも楽しいし、ちょっと難しい。なんじゃそれ、みたいのもあったけど。
海遊館消しゴムとシャープペンがついて300円。海遊館へお出かけの際にはぜひ購入してください。
室内が暗かったせいか(それともやっぱり腕のせいか)写真がまったくうまくとれなかった。
カメはこんなだし。
おばけ。

頬杖をついて一生懸命寝ているラッコもいた。眉間にしわをよせて、ずれるひじを何度も直している。
海遊館といえばいくつものフロアを抜いて作られている巨大水槽が有名で、私のなかでそのイメージは大きくおおきく広がっていました。
8F建てのフロア分の深さの水槽があるのだと勝手に想像していた。8Fからは海でも実際表面に近いところに生きている魚が、そして1Fからは海の底に生きる魚が(ひょっとしたら深海魚が)見られるのかと思っていた。
一体どれだけの強化ガラスなんだろう。どうやってメンテナンスしてるんだろう。
謎だらけでした。
しかし実際は3フロア半、くらいの水槽でした。横幅もあるから深い、という感じはそんなにしなかった。
私の思い込みはどこからヒントをえたものだったのか…。
よく考えたらちょっと不可能なのかもしれない。
でも、そんな水族館が見たいなあ。
ぐるぐると階を降りるにしたがってその広さを感じて、こんなに魚を見上げられる水族館はやはりない、と見入ってしまいました。
やはり、うまく撮れなかったけれどジンベイザメの遊ちゃん。

ジンベイザメは一番大きな魚。(くじらは魚じゃないから)
でもその肉は美味しくなくて、すりつぶしてかまぼこにされます。
という子供図鑑の知識は正しいのだろうか。
ハーモニカみたいな口に水が流れ込むことで呼吸をし、一生泳ぐのをやめることはないそうです。
岩影に頭をつっこんで寝ている(?)カメが可愛かった。


クラゲはなんだかセクシーでした。
照明のせいかな。
これなんかカトちゃんぽいし。

タカアシガニに囲まれて呆然とたたずむさかなくん。
エイリアンとか、重機みたい。かにって。
ひとが考え付くあらゆる造形は、もうすでにこの世にある。
ような、気がしたのは「ディープ・ブルー」を見たときだけれど、やっぱりどうしてこんないろんなかたち、色んな色が生きているのかと思うと不思議でしかたがない。



水槽に張りついてじっと魚たちを見ていると水中は乾いている、といつも思う。
水中の魚たちの肌はいつも全然濡れているように見えない。

