秋の匂い | アマヤドリ

秋の匂い

よく晴れた。
日向はとても暖かい。
雲のない透明な空。昨日までの湿気はどこに行っちゃったんだろう?
でもまだあの高いたかい、耳がつぅんと遠くなるような空ではない。
墜ちていっちゃいそうな。

バイト先に通じる道添いにはポプラが並んでいる。
大きな葉っぱが道にぱさりと落ちている。忘れられた枕カバーみたいに。
期待を込めてゆっくりと踏む。時間をかけて踵から爪先へと。

くしゃ、という音をたてる。

ああ、まだだった。しゃりしゃりに乾くまでにはまだ時間がかかるのだ。

綺麗に髪を結った外国の妊婦さん。
盲人の杖をもってる人。
自転車に乗り前髪を吹かれているおじさん。

みんなが久しぶりの秋の日差しに包まれている。