『浮き雲』 | アマヤドリ

『浮き雲』

ストーリーは何ということもない。
冴えない顔の夫とユーモアを忘れたような顔の夫婦が困ったなぁとあちこち職を歩く。地味だし笑ってよいのか戸惑う場面も。
この監督はほかに見たことがなかったからちょっとそわそわしちゃった。

しかし進むにつれしみじみと良さが伝わってくる。
思い切って財産を全額賭けてすっからかんになったり…人間くさい。ああ、なんでそんなちっちゃなことで、といがみあいにどきどきしたり、だけど自分の予想とは反した人物たちの反応に新鮮なあたたかみを感じたり。二人がちゃんと愛情を持ち合っていたりして、最後まで引き込まれるように観た。


大袈裟でもドラマティックでもない、どこにでもいる人間を愛情をもって描く。
素敵だけど難しいな。
だけど素敵。

ひとを愛しているひとに、とってもひかれる。


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トータル・カウリスマキ Vol.1 真夜中の虹/浮き雲