曖昧な境界線/微睡み
夜の皇居のお掘りにいた。
目が悪いままいたから、なにもかもの輪郭がやわらかく夜に溶け込んでいた。
光は闇ににじんではじけ、緑はこっそりと、こんもりと、呼吸する。
白い大きなお豆腐みたいな石に座るとひんやり、その中心からいくらでも冷たい熱を伝えてきた。
立ち上がると、懐かしい香りに気付いた。なんだろうと見渡すと沈丁花の茂みがあった。
ちいさなころ、沈丁花にはいつもくまんばちが潜んでいた。もくもく、頭とおしりがわからないくまんばち。
きっとくまんばちは特に沈丁花の蜜が好きなんだろう。
夜の沈丁花はひとりだ。 薄目をあけ、静かに匂いを放っていた。
まどろんでいるとき、どんなに強く香っているか、沈丁花は知らない。
全部がつまってる、ほんの世界のはしっこ。
目が悪いままいたから、なにもかもの輪郭がやわらかく夜に溶け込んでいた。
光は闇ににじんではじけ、緑はこっそりと、こんもりと、呼吸する。
白い大きなお豆腐みたいな石に座るとひんやり、その中心からいくらでも冷たい熱を伝えてきた。
立ち上がると、懐かしい香りに気付いた。なんだろうと見渡すと沈丁花の茂みがあった。
ちいさなころ、沈丁花にはいつもくまんばちが潜んでいた。もくもく、頭とおしりがわからないくまんばち。
きっとくまんばちは特に沈丁花の蜜が好きなんだろう。
夜の沈丁花はひとりだ。 薄目をあけ、静かに匂いを放っていた。
まどろんでいるとき、どんなに強く香っているか、沈丁花は知らない。
全部がつまってる、ほんの世界のはしっこ。