夜の海 | アマヤドリ

夜の海

夜中にてくてく歩いて、海を見に行った。
本当は駅から15分のところに海があるはずなのに1時間半も歩いた。

ブーツの中の足がとても痛くて、タクシーを見つけたらすぐに乗ろうと思ったのに1台もとおりかからなかった。

だけどそのおかげで色んな楽しいものを見た。山の斜面の不思議なマンションとか、面白い看板。夜は免許証がないとお酒を買えない自動販売機。夜中のガソリンスタンドに停まったトラックの上にお兄さんが寝ていたり。
途中トンネルも歩いて抜けなければならなかった。そうだ、今思えば2つめのトンネルがあまりにも長くてくねっていて恐いから、それを回避したことが行こうとしていた海岸にたどりつけなかった原因だった。

だんだん星がきれいに見えてきて、たまにしか会わない地元のひとに道をきいて、海に辿り着いたのは夜中の2時すぎだった。

結局、二つくらい隣の海岸に着いてたのだった。


痛む足を海に漬け、冷たさにきゃあきゃあ友達と笑った。
顔を真上に向けて視界を星空で満たした。
友達と抱き合って(ほら、なんかひとつ乗り越えたから異常なテンションで)、そのままくるくるしてあげようかと思ったんだけど(ラピュタみたいに)、だけど大人だから無理で、「今転ばそうとしたでしょ~!?」とまた笑った。



遠浅の海はすごく静かで、だけど大きかった。

真っ暗だから余計に存在が深くて重くて、コンクリートのところに座っていつまでも繰り返す音を聴いていた。


月並みだけれど、あらわれた感じがする。

そのまんまだな。

でもいいや。



電車に乗って、たまには足を海につけにいこう。