欠陥住宅を選んだのは… | アマヤドリ

欠陥住宅を選んだのは…

部屋にいたら、窓の近くの壁の辺りからじゅうじゅうと微かな音がする。


ちょうどエアコンのあるあたりだから水の音かな?と思っていたら音はだんだん激しくなっていった。

このたてもの。

私の住んでいる階から上は階下と作りが違っていて、ちょうど私の部屋の窓際5分の1は空中に飛び出ている。つまり下の階よりも少しだけ広くなっている。どうしてそんなふうにわざわざ自然の法則に反抗した難しそうな作りにしたのかよくわからないんだけど…詳しくないからこれを難しそうと思うのもただの素人考えなのかもしれないんだけど…まあとにかくねずみ返しのように下がすかすかになっている。
しかもどきどきすることに、ちょうどその付近の壁にひびのようなものが走っている。

だからもしかしてこっちにはやっぱり重いものとか置いちゃいけないのかな?とか思ってしまう。ベッドも絶対そこからは飛び出さないように配置しているし。
ちゃんと専門のひとに見てもらったらこれはコンクリートの割れじゃなくてボードの割れだから心配ないみたいなんだけど。
でもいつかここからぽっきり部屋が落ちてしまうんじゃないかなぁってしょっちゅう妄想する。そして足をぞくぞくさせている。
そんな夢もたまに見るし。



一瞬そのじいじいいう音を聞いてまさに今ひびが広がってばりんと部屋が割れるんじゃないかと飛び起きた。
ありえないけど、そのまさかが今?って。

音はだんだん激しくなる。


どこまでボリュームアップするのさ?!と今度は心配になる。


この音…ひびが広がる音ではない。


やつだ。
やつじゃんかー!
でもやつが、まさかこのままここで??

や…


やめて~~~!!


と思う間もなく、

その声の持ち主のテンションは本格的にあがってゆき、

夏の主役のその人は私の耳元で元気にミンミン鳴きはじめたのでした。


いったいどうしてこんなところに止まってしまったんだい。

大きな木だなあ、って間違えて、ここまで登ってきてしまったわけじゃあるまいよね??




もう十分満喫しているからそんなサービスいらないのに。

とは思いつつ、開けた窓はそのままに、汗をかきつづけたのでした。