Rにて。 | アマヤドリ

Rにて。

会社をもうすぐ辞める子が、土曜なのに職場に忘れ物をとりにきた。
おやつの時間だし私も仕事が煮詰まっていたので…というかやる気がなくなっていたのでちょっと抜け出して屋上近くのひといきスペースで話をした。
職場の女の子たちとは仲がよいけれどそんなにつっこんだ話をするわけではない。いつも飲んで、事務所にいる面白いひとびとの話で盛り上がる、ほんとうにそれだけ。個人的なことはびっくりするほどなにも知らない。
でもこの子とは少し個人的に話す機会があって、彼女が彼と別れた話とか今回の転職の話とかをぽそぽそと打ち明けてくれ、少し違う感じで仲良くなれた。
外は暑いけれどその気温だけを遮断して明るい光だけを注いでくれるそのスペースのソファに座って彼女の横顔を見ながらちょっとずつ語られる話に耳を傾ける。
ひとの話を聞くことってなんて難しいんだろう。きっと私次第でいくらでも深くも浅くもなるんだろうと、いつも緊張する。話が分からないことは罪ではない。でもわかったような気持ちになってしまってその勘違いが、せっかくの道行きを閉ざしてしまうことがいやだ。
私はわたしの、本当に少なくてまだ浅い経験や感触のなかでしか友達の話を理解できないことがもどかしい。余計なことを考えずにすっと話を受け入れ、そこから生まれてくる感情をただ大切にすればいいだけなのかもしれないけれどどうしても構えてしまう。変換して、わかろう、わかろうとしてしまう。
私はもったいないことをしているだろうか?

似ているなぁ、と思うのは私が彼女を自分に近付けてしか理解しようとしていないせいなのか。
わからなくなる。

過去や未来の私をひっぱりだしてそこに当てはめる。
読み取る助けにしたくてそれを総動員。
その作業に没頭しすぎて彼女の思考をつくりかえてしまっていないか時々心配になる。
これは、未知なものなのかもしれないのに。


感じることを大事にしているようで、実は、それをうまくできていないんじゃないかなぁ。

考えよう。
ときどき。


なにかを破りたい。
そう思った、今日のおやつのじかん。