no title
あたしは何かのせいにできるほど、何かに動かされるほど、平らな澄んだ水面じゃない。
だけど自分を透明だと感じられるときがあって、そうあれる場所や、ひとや、瞬間を見つけるとそこにずっといたいと願う。
優しいきもちや、温かいひとみでいたいとおもう。
でもそれもおそらく全ては自分のため。
あんまり綺麗な心じゃあないなぁ。
自分のためにしかそれを大事にできないのかもしれないと思うと、
そうだな、
たぶんそれが私のこの永いこと感じていた喪失感なんだ。
自分がそうありたいと思っていた、思い込ませたいとつくろっていた、自分への幻想への喪失。
だから私はちゃんと求め続けないといけない。自分がまっすぐいられるところを。この芯から、笑ったり優しくありたいと思ったり、前に進もうともがけるところを。
入り交じりすぎてコントロールができない、と言い訳していてもひとりになるだけだ。あたしがあたしを手放すから。
手を繋いで一緒に、全部見よう、と決意したから。
なのに置いてゆこうとしすぎたねきっと。あたしはあたしのそんなところを許したり叱ったりできなくてはいけなかったのに。よそ行きのあたしは、それを天井のかたすみみたいに照らさないことばかり考えていた。どこかで、恐れてばかりいた。すごく大きい存在なこと分かっていながらだからこそ。
複雑な生きものなんだ。
いつのまにか、私はお隣に足を踏み入れている。ちゃんとケースごとに別れていて取り出したりしまったりできるものじゃない。クリスマスの飾りみたいに全てが繋がっていて裏と表がくっついてる。だから絶望もするし、絶望なんかしなくっていいっていうことにもなるんじゃない?
風が強い。
しょうもない細かなことは吹き飛んじゃえ。
知らない景色をたくさん見て歩きたいなぁ。
歩くたびに色んなことがあたまに浮かんで繰り返し想ってそのうち全てがシンプルになるんだ。
塵みたいに同じ想いの舞うここでは、
今はだめだ。
