会いたいひとを向こう岸に見かけたような気がして
全神経がそこにむかった
友達といることも忘れて
電車のなかだということも忘れて
ふらふらドアに近づいたことを
私を避けたひとの、その急激さで知る。
見覚えのある足のかたち、
見覚えのある、電話中の首のかしげかた、
あんな風にうろうろする、その間やスピード。
あれは、きっと。
でも暗い視界の私にはよくわからなかった。
はっといちだんかい、気づいた瞬間に
なにかをセーブした。
それで、
たぶんよかったのかな。
もし会いたいひとだったとしたら全部ほおりだして、
私はまた繰り返しちゃうから。
いつになったらあたしは、
探すことを忘れるのかな。