今日で、今年の観劇もすべて終わりだ。

 



一、猩々(しょうじょう)

 

松羽目物の舞踊で松緑と勘九郎が赤い毛の生えた猿みたいな生き物の猩々だ。 この猩々がとにかく酒が好きなのだ。 酒売りの種之介が持ってきた酒樽から猩々は酒を汲み飲む。 汲めども尽きぬ酒樽めでたしめでたし、でこの酒売りはさらにお金持ちなるというめでたいお話でした。

 



泉 鏡花作 

坂東玉三郎演出

二、天守物語

 

泉鏡花、名前は聞いたことがあるけど、作品は読んだことがない。幻想的・怪奇的な作風で有名としか知らない。 確かに、この天守物語は幻想的で怪奇趣味満載の舞台であった。 玉三郎の亀姫、姉の天守夫人の富姫が七之助、勘九郎は舌長姥と近江之丞桃六を演ずる。富姫が一目惚れする侍姫川図書之助を虎之介。亀姫が姉の冨姫へお土産にケーキのようにして持ってきたのが生首だったりしてむちゃくちゃ気持ち悪い。この人たち何なのひとじゃないよね。 勘九郎のメークがすごかった。この世のものとは思えないような不気味さだった。七之助は決して物真似ではないが、セリフの言い方、仕草が玉三郎そっくりだった。 最後は図書之助と富姫の恋は成就するのだが・・・おお怖。