花街模様薊色縫

 さともようあざみのいろぬい

通し狂言 十六夜清心

いざよいせいしん

 

序幕 稲瀬川百本杭の場

   同 川中白魚船の場

   百本杭川下の場  

二幕目 初瀬小路白蓮妾宅の場

大詰 雪の下白蓮本宅の場

 



今夜の歌舞伎座は、空席が多く寂しい限りであった。 その代わりに私の居た3階席には観光客風の外国人の姿がやたらに目立った。 インバウンドが増えてきているということか。 

 

通し狂言なので、まれにしか上演されない後半の白蓮妾宅の場と本宅の場での清心と十六夜の前半との変わり身の激しさを幸四郎と七之助のコンビがとても面白く表現していた。 通しでの上演は三部制の中でも極力続けてほしい。 前半の百本杭川下の場で清心(幸四郎)と寺小姓恋塚求女(壱太郎)が出会い清心が求女をを殺し悪に目覚めるところまでの河竹黙阿弥の七五調のセリフのやり取りがこの芝居の見どころなのだが、みんな声が小さいというか、聞き取りにくい。この点はちょっと残念。 前半最後のだんまりは面白かった。