おはようございます。おいでくださって感謝します。

あなた様のお宅には、どんな油が置いたりますか?

灯油・ガソリン・軽油。これは、家電・暖房・マイカーの為に必要ですよね。

他にも、胡麻油・オリーブ油・菜種油。これは食用やね。

また、場合によっては椿油があるっていう・・・そんなお宅も、あるんでしょうか。

油にも、ほんま様々な種類がありますよね。

ちょっとした油で、しっとりした肌になったり、髪にツヤを与えたりする効果もありますし。

 

 

実は、今回の聖書のお話にも油が出てきます。

オミナエシ科の「ナルド・オニキス」っていう植物から取れる油。そこから作り上げる香油です。

実は、この油・・・。そう簡単に手に入れられる代物やないんですよ。

今では既に、古い時代の香料になっとるさかい、簡単には手に入れられんのですよね。

これは、強い香りのする油で、化粧に使うたり、亡くなった人を墓に納める時に、

亡くなった人の身体に塗ったりするために使われとったんですって。

ナルド・オニキスは、チベット、ブータン、中国の山地とかで採れる植物らしいんです。

今でも、ヒマラヤの山ん中の村で育てられとるらしいんやけど、そう簡単には手に入りません。

ナルドの香油は・・・。

その「ナルド・オニキス」の根と茎から取り出した油を、オリーブ油と一緒に混ぜたもんです。

今回は、そんな代物・・・ナルドの香油に関するお話です。

 

 

ベタニヤの村には、お姉さんのマルタと妹のマリヤ、弟のラザロが居りました。

イエス様は、3人を愛しとられて、神様についての話を、ようけしてくださいました。

それだけやのうて、一旦は重い病気で死んだラザロを甦らしてくださいました。

それから暫くして、イエス様がベタニヤ村に来られて、食事会が開かれました。

マルタは御馳走を運んでて、ラザロは、イエス様やら、お弟子さんらぁと話をしてます。

そん時、マリヤが部屋に入ってきました。手には、小さい壺を持ってます。

その壺ん中には、ナルドの香油が入ってました。マリヤの大事な宝物です。

マリヤは、イエス様の傍に屈むと、壺の蓋を取って、中の油をイエス様の足に注ぎました。

普通は、ほんの少しだけ使うもんやけど、全部、たっぷりと注ぎました。

それから、自分の長い髪の毛で、イエス様の足に流れる油を、丁寧に拭きました。

部屋ん中は、ナルドの香油で、いっぱいになりました。

マリヤが、いっぺんに高価なナルドの香油を使うてしもたもんやさかい・・・、

その様子を見とった人らぁは、ビックリ。

でも、マリヤは何で、こんな事をしたんやと、あなた様は思われますでしょうか?

おそらくなんやけど・・・

“イエス様。ラザロを甦らせてくださって、ありがとうございます。

神様のお話を、たくさん聞かせてくださって、ありがとうございます”

そんな思いをイエス様に伝えたくて、自分の大事な宝物を、イエス様に捧げたんでしょう。

でも、イエス様の弟子の一人・ユダが怒ったように言いました。

「何と勿体ない事をするんだ!その香油を売れば、たくさんのお金が手に入る。

そのお金で貧しい人々を助ける事が出来るではないか!」

ただユダは、本心で、こう言うたんやないんですよ。心ん中では、悪い事を考えとったんですね。

実は、彼は、お金が好きな男で、みんなぁから集めたお金を、こっそり盗んどったんです。

イエス様は、優しい声で言われました。

「マリヤに怒ってはいけません。そのままにしておきなさい。彼女は立派な事をしました。

わたしが亡くなる日の為に、予め、わたしの身体に油を塗って、葬式の用意をしてくれたのです。

わたしは、もうすぐ、あなた方と別れなければならないのですから。」

イエス様は既に、この時、御自身が十字架に掛かる日が近づいてるっていう事を御存知でした。

マリヤがイエス様の御身体に香油を注いだんは・・・、

もうすぐ墓に葬られる自分自身の為やと、イエス様は言われたんですね。

 

 

実はね。

大阪府箕面市にある「クシロ薬局」いうとこには、今も、ナルドの香油が売ったるらしいんです。

旧約聖書の雅歌に記された資料を参考にして、香油を作ってはるんやそうですが、

値段を調べると、15㎖で4500円とありました。

今回のお話に出てきた「ナルドの香油」は、お話のあった時代には、

300gの値段が、300デナリって言われとったんですよね。

当時のお金で、1デナリいうんは、労働者1日分の御給金やったそうです。

分かりやすく言うなら、1デナリを1万円とすると、300デナリが幾らか想像つきますよね。

そう聞くと、いかに香油が高価で手に入りにくいもんかが、よう分かりはるかと思います。

 

 

自分が出来る精一杯の事をして、感謝の心を伝えようとした、そんなマリヤの心を、

イエス様は、何よりも喜んでくださったんやね。

確かに、今では手に入れられへんような高価な代物を惜しげもなく使うなんて、

ユダの言うように、大事な宝を溝に捨てるようなもんやんか・・・って。

そう思われる方も、勿論あるかもしれませんね。

でも、このマリヤが行なった行動は、イエス様に対する真心の気持ちからでした。

愛するイエス様に自分の気持ちを伝える方法が、まさに、ナルドの香油注ぎやったんですね。