作家、大宅壮一がテレビを批判した

「一億総白痴」

って言葉ご存知でしょうか。

 

早い話、

「テレビを見続ける人間はバカになる」

という痛烈な皮肉。

最近はテレビを見ない、置かない世帯が
増えているようですね。

でも、実際には高齢層のリタイア世代が
ワイドショーの視聴者層。

 

各民放が似たようなゴシップを垂れ流し

続けているのは日本くらいらしいですね。

 

実際、夜の報道ニュースなどでは

こうしたゴシップは扱わない。

日本人特有の覗き見趣味、というか

出る杭は打つ、という陰湿な心根が。

政治家や芸能人のスキャンダル、
物価高騰やコロナ禍への怒り。

代案もなしに専門家でもない
芸能人が思い思いに好き勝手にコメント。

朝からガヤガヤ騒がしい。
そんな番組を毎日見ていたらどういう
思考になるでしょう?

政治家へは既得権益へのやっかみ。
すぐ給料返せ、議員減らせという話に。

芸能人の不倫は許せないから番組降板。
薬物・DVなんかやった日には過去の作品も
放送できない。
誰がトクするんでしょう。

視聴者からクレームが来るから?

物価高騰はリポーターが町に繰り出して
通行人にマイク突き付け
「庶民は苦しんでいます」
と代弁するのは高年収のテレビ局員と
アナウンサー。

電気料金上がるのは許せない、と言いつつ、
原発再稼働は反対、でも化石燃料は
温暖化につながるからNG。
どうすればよいのですか。

ひたすら批判の的を探し、新たなゴシップ
ネタが出てきたら、一気にそちらへ。

人の噂も75日、とはよく言ったものです。

そういうものを見続けていると
人間性がひねくれて不寛容になっていきます。

ワイドショーで扱われるような内容は
どちらか片方の言い分のみです。

面白いことにソロモン王の格言には
こんな言葉があります。

「訴訟において最初の者は正しく思える。
しかし仲間が入って来て、必ず彼を
徹底的に調べる」

つまり片方の言い分だけで判断しては
ならない、ということ。

更に言葉は続きます。

「通りすがりの人間が関係のない
争いに首を突っ込み、怒る者は,
犬の耳をつかむ、愚か者だ。」

ワイドショーの本質はそこです。

実際、視聴者で事件や争いごとに
関係している人はほぼ、いません。

勿論、正当な怒り・義憤はあります。
しかし、毎日そうしたものに
晒されていると、何でも批判的な思考に
なります。
一方的な情報を鵜吞みにして

「甘い汁吸っているヤツが許せない」
「調子こいてた芸能人は叩かれたほうがいい」
「コロナワクチンの抜け駆け接種は許せない」
「生活がよくならないのは全て国のせい」

 

どんどん他責思考に気持ちが
よどみ、歪んでいきます。

芸能人の不倫を第三者が
「許せる」「許せない」だの。
何の権利があって?

落ち目女優のコメンテーターが
「私も同じ年頃を持つ子の親として・・・」
それっぽく聞こえますが、

彼女たちは芸能人です。

家事やパートに勤しむ主婦でもない。
何の関係があるのでしょう。

ソロモンは更に、

「違犯を覆い隠す者は愛を求めており、
事を言い立てる者は親密な者たちを
引き離してゆく」


「経験のない者はすべてのことを
信じてしまう愚か者である」

マスコミが作り上げる一方的な正義を
信じてまんまとハマってしまう。

 

スキャンダルなど特ダネでも何でもない。

社会問題をどうすれば解決するかは
全く考えない。

安倍首相の国葬の時に、根拠なく
菅前総理の弔辞を
「電通がシナリオを書いた」
と言い切った御仁もいました。

朝から怒りまくっているおじさんです。

 

結局謝罪・謹慎に追い込まれました。
極めて無益な騒動です。

後に残るのは後味の悪さだけ。

 

かつて

銀座で朝まで飲み歩いている方が

「庶民の気持ちを全く理解していない!」

と言ってた大御所。消えましたね。

「言葉が多いと違犯は避けられなくなる。
しかし唇を制する者は思慮深く行動している
ことになる」

 

しかし、悪いことに敢えて過激なコメントを

することでネットニュースに取り上げて

もらえることを期待しているフシもあります。

「話すのに適切な時があり、
黙っているのにも適切な時があります」

日本のことわざに
「沈黙は金」という言葉もあります。

ある脳科学者が、
「ワイドショーや朝から芸能ニュースを
スマホで見る人は脳が渋滞する」と。

スッキリ一日を始められる脳の状態が

一番いい朝に思考が乱されることを

言い当てています。

「スマホデトックス」という言葉が
あるように
ワイドショーデトックスしてみては
いかがでしょうか。

怒りについてもう少し。
中学の時の恩師がこんなこと言ってました。
クラスが高校受験で皆殺伐としたクラス。

ケンカが絶えませんでした。

ホームルームで、、
「キミたちは思春期でいらだつことも
多いだろう。それは正義感でもあり、
成長の過程だ。でも、いちいち小さなことに
腹を立てていたらどうなる?
人生で本気で怒らないといけない場面は
一回か二回だ。
でないと本当に怒るべき時に怒れんようになる」

自分に関係のない怒りには近づかず、
ワイドショーのザッピングをやめて、
朝から外でよい空気を吸って・・・
季節の移ろいや美しい花を愛でてはどうでしょう。

読んでくださった方にソロモンの言葉を最後に。

「苦々しい思いを持つ人にはどの日も悪い。
しかし、陽気な心の人には毎日が宴会だ」

今回も長文お読みいただきありがとうございました。

 

特に高齢者層がワイドショーに

毒されていると感じます。

何でも反権威がカッコよかった学生運動の

名残りでしょうか。。