ちょうど神戸に出張があったおり、空いた時間を利用して兵庫県丹波市石生(いそう)の日本一低い中央分水嶺に行ってきました。

 

ところで、丹波市ってどこ?ということですが、2004年平成16年)11月1日 - 氷上郡柏原町氷上町青垣町春日町山南町市島町が合併して発足ということです。つまり平成の大合併でできた市。旧氷上町石生といった方が通りが良いのでは・・・・。

 

この丹波市、確かに旧丹波国にあるのですが旧丹波国は丹波市だけではない。この市名にケチをつけたのが南隣の旧篠山市(この市も平成の大合併でできた市なのですが)由緒ある旧城下町の旧篠山町は”丹波篠山”として全国に名を知られていますが、隣に”丹波”市ができたため、そちらにあると間違われる。それは面白くない。そのため”丹波篠山市”と改名した。まあ、平成の大合併に伴う馬鹿馬鹿しい話の一つです。まあ。新市名なんてどうでもよい。だだ、新市名に地元民の品位が知れるだけです。それを楽しめばよい。

 

閑話休題、尼崎から福知山線の電車に乗り、篠山口で女性運転手の福知山行き2両編成ワンマン電車に乗り換えます。ここからは単線となりぐっとローカル度が高まります。

 

この列車を石生駅で下車。駅は立派な構えながら近年無人化された様。この駅の近くに太平洋(瀬戸内海)水系加古川水系と日本海水系由良川水系との分水嶺があるということなのです。

列車を降りると、石生駅前(東口、A)に早速「水別れ公園」の案内板

が立っていました。

 

その案内に従って歩きます。道は丹波街道筋(B)で、古い商店などが並んで歴史を感じさせます。街道沿いの用水路は北を向かって流れていました。

 

地理院地図より

 

石生駅東口(A

水分れ公園の案内板

丹波街道(B

側溝の水は北(日本海側)に流れている

 

しばらく行くと、Cの辻に到着します。ここで高谷川が道を横断して流れています。この川はやがて加古川となって瀬戸内海にそそぎます。つまり太平洋斜面に属する川です。ここの交差点名は”水分れ”(みわかれ)というようです。

高谷川に架かる橋は「みわかればし」です。

水分れ交差点(C)
 

C

高谷川下流

「みわかればし」

橋のたもとの案内板

 

 

高谷川に沿って上流に向かってゆくと「水分れ公園」(D)にたどり着きます。ここでは高谷川の流れが太平洋側と日本海側に分かれてゆく様子が見られます。ただし、これは自然のものではなく人工の作り物様です。

しかし高谷川が作小扇状地の末端からは両方向に水んが流れていることは間違いないでしょう。

 

こういうところを、平地で分水するところを地理用語で谷中分水っていうんですよね。

Cより高谷川を上流に進む

見に

水分れ公園(D) 右:日本海、左:太平洋

 

 

さて今度は石生駅西口E)に移動して、日本海側由良川水系の青井川の流れを見に行きます。

 

青井川は悲しいことに側溝化していますが、明らかに水は北にむかって由良川水系を向いています。

石生駅西口(E)

東口同様に案内板が

西に向かって明らかに下っている

青井川に到達(G)流れは北を向いている

 

 

 

青井川をさらに上流まで追ってみると交差点H)に達する。ここが分水嶺の最低箇所である。

側溝(青井川)を上流に追う

するとHの交差点に出る

奥の建物のあたりが中央分水嶺最低点(95.45m)とされるところ

さらに細かく言うと中央の盛り上がったあたりが分水嶺

 

 

丹波市は日本一低い中央分水嶺と主張しているが、問題がないわけでもない。

先日も書きましたが、石生の案内板では本州北の主脈を下北半島としている。となると、ここが最低分水嶺にはならないのは明らか。

 

日本山岳会の定義にしても怪しく、本州中央部の最低分水嶺とでもしておいた方が無難なような気がします

説明蟠では本州北端下北半島大間崎としているが、これにはちょっと突っ込みを入れたくなる。