足利旧市街の西側山麓には柳原用水（やなぎわらようすい）が流れています。柳原用水は江戸時代に開削された用水路で支西部の小俣町で渡良瀬川より取水し、両毛線に沿って南東に流れ山裾をえぐって南西の緑町で足利市旧市街に入ります。
旧市街に入った後は、西の山裾に沿って北東に流れ、旧北郷村の江川町で流れを東に変え袋川に合流します。市街地ではほぼ北に向かって流れているので逆川（さかさがわ）と呼ばれています。市内では逆川と言った方が通りが良いです。
市街地の山際を北流すること、流域に寺社が多い点で京都の疎水に匹敵するものがあります。用水沿いの寺院は私の子供時代の遊び場でもありました。
柳原用水は、もともとは農業用でしたが、次第に染め物工場や家庭の排水が流れ込むことで、私が子供だった当時は魚も住めないほど濁っていました。しかしいまは浄水設備も整い一部暗渠化されていますが、きれいな水が流れています。
その流れを見ながらのんびりとした山麓の寺社巡りも観光資源として十分利用できるのではないでしょうか？。近くには一茶庵のようなグルメスポットも多くあります。
【図1】柳原用水（逆川）の流れと寺社の分布など
今福南町の堰（【図1】①、以下同様）から緑町の足利公園の下をトンネルで抜け逆川は表にでる。その後山裾をえぐっった後、緑町・通り７丁目の山すそを北流する。
今福南町の用水堰
白石山房（旧田崎早雲邸/早雲美術館）②の地下を流れている
ここから北流、緑町足利公園③脇行く逆川
緑町の総社・八雲神社④
八雲神社前の流れ
緑町の福厳寺⑤
通り７丁目の常念寺⑥
常念寺・三宝院間の逆川の流れ（南方視）
三宝院⑦と逆川（通り7丁目）
西宮町との境に差し掛かると逆川は流れを東に変える。一部は暗渠となる
西宮町を流れる逆川
西宮町奥にある関東総代・西宮神社⑧
普段は静かだが恵比寿講の時はたいへんにぎわう
高徳寺⑨の前は暗渠となっている
高徳寺（西宮町）は中学時の通学路沿い
”５丁目”の八雲神社⑩は逆川の南側、森高千里の「渡良瀬橋」にでる神社か？
織姫神社前を流れる
長い階段を上ると織姫神社⑪、ここも子供時代の遊び場
逆川は織姫神社前を抜けると再び山裾を北北東に向かう。
巴町の法玄寺⑫
法玄寺の本堂 法玄寺のWさんは小中と同級生で、時々遊びに行った
法玄寺先の逆川の流れ 今はきれいになっている
本城3丁目の徳正寺⑬子供時代の遊び場だった。山門前に逆川
冬の虚空蔵さま”まゆ玉市”が有名
露店も出て、子供時代は小遣いをもらって行きました
本城3丁目付近、逆川の流れ
法楽寺⑭も本城３丁目
法楽寺の墓地 墓場は子供自体の格好の遊び場だった
樹覚寺⑮ ここもよ子供時代によく遊んだ 当時は”じかくじ”と呼んでいた
藤のきれいな寺だとはいままで知らなかった
樹覚寺前を流れる逆川
逆川は本城2丁目手前で東に分流する、分流沿いはかつて水田地帯だったが、いまは住宅が連なる。
柳原用水の分流 かつては桜の名所だった。
逆川本流はさらに山沿いを北に向かう
本城２丁目の厳島神社⑯
本城1丁目付近の逆川
本城１丁目の心通院⑰ 当時はかなり町はずれだった。
私の行った小学校は学区の南半が街中の子で、北半は田舎の子（今は違う）だった。
北半の子が通っていたのがこの心通院経営の本城保育園（保育園と名がつくが幼稚園・保育園併用保育）
一方で私を含む南の町中の子は、鑁阿寺経営の足利幼稚園出身。入学時には使う言葉もかなり違っていて子供なりに戸惑った。
逆川はさらに北流し本城1丁目と江川町の境あたりを流れる
江川町で流れを真東に変え、利保（かがほ）町を経て袋川にそそいで終わる
江川町⑱のこの辺りでは逆川東に向かう
科保町内を行く 水門が農業用水らしい。袋川を逆サイホンでくぐる⑲
（袋川西岸）
科保町（袋川東岸）
助戸東山町で袋川に合流して終わる（【地図2】 の⑳、以下同様）
【地図 2】北部の山寺等
まあ、足利は三方を山に囲まれ、その山並みは高からず低からずで、山沿いにはまだまだたくさんの寺があります。さて今度は、やや郊外の山の方を見てみる
そのひとつが、私の一族の墓のある大月町の北関東道足利インタに近い曹洞宗の密蔵院㉑です。東山のすそにあるとても静かな寺で気に入っています。
曹洞宗密蔵院
山麓にある密蔵院墓地
郊外には、山の中頂上近くにある寺（山寺）もあります。
織姫神社から尾根伝いに両崖山を経て北に向かう尾根道は、格好のハイキングコースです（【図2】 AーBーCーDーE）。
特に冬は晴天が続き視界が開けるのでお薦めします。（ただしそのため、昨年山火事が起きた）
景色に優れる冬のハイキング、冬の尾根道を行く
大岩山㉒より北関東道を見下ろす
尾根を北に行ったところにの大岩山の頂上近くに大岩毘沙門天㉒という山寺があります。
私の子供時代には住職はおらず（寺院本部の多門院最勝寺㉒’は麓の大岩町にある）、かなり荒れていました。中には怖い毘沙門天像が立っています
大岩毘沙門天
毘沙門像
麓の最勝寺
行道山浄因寺㉓は、大岩山からさらに北に尾根伝いでも行けるところにあり、我々は延々歩いて行きました。もちろん麓から行く方が楽です、参道の沢の水はとてもきれいで、サワガニが棲んでいます。
行道山浄因寺入口
紅葉時はとてもきれい
その北にある馬打峠㉔は、我々が尾根伝いに歩いて行った最北地点です。当時やっと車一台が通れる車道が完成しました。足利北部にはほかに藤坂峠，猪子峠などの小峠が散在し、ヒルクライム・サイクリングにはうってつけの環境です。
馬打峠 林道並みの道
昔のの粋人たちは、そんな山麓に別邸を作ってカントリーライフを楽しんでいました。
月谷町の巌華園㉕