名称:朝里峠(あさりとうげ)

所属:主要道道1号小樽定山渓線、札幌市南区・小樽市

標高:約720m(旧道)、680m(新道トンネル)

形状:開放(旧道)、トンネル(新道)

景観:★★☆☆

峠らしさ:★★★☆

総合:B

通行:自転車、車、徒歩

 

朝里峠は、栄えある主要道道1号小樽定山渓線にある峠です。

 

この道道の特異なことは、1930年に小樽経済人の民間資本で建設された道路であることです。

 

それによって、定山渓温泉は札幌だけなく、小樽の奥座敷にもなったのです。当時の小樽の繁栄ぶりと、「札幌何するものぞ」という小樽財界人の心意気を感じさせます。

 

そのこともあり、近年まで小樽と定山渓とを、このルートを通って結ぶ北海道中央バス(本社:小樽市)が走っていましたが、知らないうちに廃止になってしいました。

 

道道に移管されたのは戦後で、当初は道道3号線でした。その後の改変で栄えある1号線を名乗ることとなったのです。

 

トンネル開通後の朝里峠 国土地理院2.5万分の1地形図「張碓」(平成26年)

トンネル開通前の朝里峠 国土地理院2.5万分の1地形図「張碓」(平成03年)

 

朝里峠は何度も通っているので、今回は初めてハーフ輪行で通った時のお話で行きたいと思います。時は2006年の7月。

 

自宅から国道230号線を南に、定山渓温泉の手前で別れ、道道1号線に入る。

道道1号線の分岐点

 

しばらく進むと、豊羽鉱山に向かう道を右に分けハーフループを描いて豊羽鉱山方面の道をオーバークロスして登り始めます。

登りに入る

 

昇り詰めると、定山渓ダムそのものの上に出る。

 

しばらくはダム湖・さっぽろ湖畔を行く。

 

ダム湖が尽きると旧道が顔を出す。

 

峠の天気は変わりやすい。サミットが近づくと雨が降り出した。

雨中を走る

 

サミットに近づき、新道の朝里峠トンネルが見えてきた。トンネルを通れば雨に濡れなくて済むが、真っ暗でつまらないので、左に分かれる旧道を行くこととする。

前方に現れた新道の朝里峠トンネル

 

雨中の旧道を行く。まだ舗装はしっかりとしていた。

 

サミットの朝里峠。この日は雨でかすんでいるが、もともと景色はあまりよくない。奥の平らな山が朝里岳(1280m)。峠より小樽川に向かうと、道はコンクリートブロックでふさがれていた。それには自治はは意味があるのだ。

サミットの朝里峠 使ったバイクは今はなきアメリカンバイクの"Jamis Coda Sport"

 

あらら、通せんぼ。その理由はこのあとわかります。

 

かつてライダーたちが技を競ったヘアピンカーブは健在だった。奥は新道の冬陽橋

 

旧道は小樽側でぶち切れていた。さっきのコンクリートブロックはここからの転落防止のため?ここは自転車を担いで降りたが、よくよく見ると、先に作業用の道が見える。

旧道は突然切れていた

 

道道1号線のマークとバス停、当時はまだ小樽定山渓間の路線バスが走っていた

 

朝里ダムのループ橋を下ると、朝里温泉も近い。雨でぬれ体も冷えてきた。朝里温泉でひと風呂浴びたことは言うまでもない。あとは朝里駅で自転車を輪行袋に詰めて列車で札幌に帰った。

朝里のループ橋を下る。