こんばんは。
今日も一日、お疲れ様でした。
春一番の風が吹く
肌寒い日だった
私は娘の小さな足に
小さなピンク色の靴を履かせ
ベビーカーに乗せて
買い物に出た
帰り道
ベビーカーのかごに
スーパーで買った物を入れ
背中に重いリュックを背負いながら
ベビーカーを押しながら
長い登り坂を必死に家まで歩いた
ベビーカーの娘は
楽しそうに
愛らしい小さな足を
バタバタさせていた
家に着く頃には
娘はぐっすり眠っていた
そして私は疲れ果てていた
娘をベビーカーから
降ろそうとした時
娘のピンク色の靴が
片方無いことに気付いた
帰り道のどこかで落としたのだ
私はとても悲しくなった
小さな娘の小さなピンク色の靴が
どこかで寂しく転がっている
誰かに踏まれてしまうかも
車に轢かれてしまうかも
私はとても悲しかった
胸が痛くなった
寝入る娘を
そっとベビーベッドに入れ
私は急いで外に出た
通って来た道を
小さなピンク色の靴を探しながら
必死に走った
道沿いの植え込みの上に
娘の小さなピンク色の靴が
透明のポリ袋に入って
置いてあった
拾ってくれた誰かが
雨で濡れないように
汚れないように
ポリ袋に入れて
植え込みの上に置いてくれていた
悲しかった私の心は
温もりで満たされた
優しさに満たされた
ポリ袋に入った
小さなピンク色の靴を持って
走りながら
涙が溢れた
ありがとう
本当にありがとう
今日も一日、お疲れ様でした。
おやすみなさい。
