私の相棒 iPod touch

 

 

反抗期に突入したのか、

最近全く言うことを聞かない。

 

 

充電しないと直ぐふてくされてしまうのだ。

 

 

 

あー、そうだ

あの時、

眠さに負けた私がいけなかった。

 

 

 

そう

昨日寝る前、充電し忘れたのだ。

 

 

急いで支度をしようと慌てて起き上がる。

 

 

 

トイレに向かうとなんで今なのよ。

 

女性の皆さんのもとへ月に一度やってくる奴が、

おはようと言っている。

 

 

呼んでいないのに、

呼んだ?

とばかりに、やってくる。

 

 

 

ただでさえ、焦っているのに。

 

お前なんて呼んでねぇよ!

 

 

焦りに焦って。

混乱して。

 

 

思考が停止した

 

 

 

 

時間がさらに過ぎバスへようやく向かう。

 

 

バスの中には、

待ちくたびれたツアー参加者の皆様。

 

誠に申し訳ございません。

 

 

 

小さくならないデカい身体を頑張って小さくする。

 

 

バスの添乗員からは、

ことどとく嫌味やらなにやらが飛んでくる。

 

 

 

全て正論の為、ぐうの音も出ない。

 

 

お腹も痛いし耳も痛いし、背中に刺さる視線も痛い。

 

 

 

あぁ。

人生山あり谷ありだな。

 

 

 

脳内で水戸黄門が流れる。

 

 

他の参加者が待つホテルへ向かう。

 

海沿いのすげぇ立派なホテル。

 

 

 

そこでも参加者の方がなかなか出てこない。

 

 

 

私ほどではないが少し遅めにやってきたのは、

おばさまたち。

 

 

 

添乗員はブツブツ言っていたが、

 

おばさまたちは優雅に

「皆さん。 お待たせしてごめんなさいね。」

と言いながら次々とバスに乗ってきた。

 

 

 

車内の空気が最高に悪い中、観光バスは出発した。