フォーマルなワンピースを買った。

迷った。
可愛いけど
使うのかなって
だって綺麗な格好する場面が
今の私の人生にないんですもの。


どこで着よう?


そこで気づいた。
私、実はこういう格好をしたかったの!
という感情を思い出した

以前、私を
お嬢様にしてくれた医者がいた。

(パパ活とか援助交際じゃないよ!

そのひとは、特別会員のみ入れる
銀座の夜景の見えるレストランで

高級なコース料理を私に振る舞い
美味しいお酒をたくさん飲ませてくれた。

ちょっと穴場的な鉄板焼きもコースで!!


精神科医の話とか
私の夢とか
そういうのを楽しく話したりした。


そのとき私、
いつかここに来るから。
って私に約束したの

いつも憧れてた場所には
約束を残して行く
心の中でつぶやくの
またここに戻って来るから。って


今の私には、
遠くなってしまった銀座。
そういやあの頃は本当にモテ期で
よく東京でデートしたりしてたけど

美術館にデート誘ってくれる紳士も
最近は現れなくなった。
花束をくれる人も
舞台へ誘ってくれる人も。


私が本当にときめいたのは
私をお嬢様にしてくれる人や場所だった
そういうドキドキする瞬間だった

綺麗なワンピースを着て
パンプスを履いて
宝石のついたネックレスをして

スタバでちょっとコーヒーでも飲みながら
仕事で遅れて来る彼を待ったりして


私がお洒落をしなくなったのは
どこにでもある居酒屋でビールを飲むような
どうでもいいデートばかりしすぎたせいだ

どうでもいい扱いをする
どうでもいい男といすぎたせいだ

怠けすぎた私のせいだ


周りを見渡して考えていた。

若い子たちは
みんな同じような格好をしている。
当たり障りのない
カジュアルでとても似たり寄ったりの。

それに混じろうとしていた。

紛れ込んでいようとした。

20代前半の元彼といたとき
とても違和感があった
デートの場所とか食べるものとか

もう殆どやりつくしたはずの
ウブなデートとか

若い格好をして、
若い感情に流されて

私は楽しかったんだろうか?


本当は、そうじゃなくて。
もうそういうのじゃなくて。

私はもうあの時わかってたんだな。


私もう20代から卒業するし

もう20歳の格好とか興味ないんだな。


憧れの30代が試着室の鏡に見えた。

なにを着るか
どこへ行くか
が決まる

どんな靴を履くか
どこを歩くか決まる

どんなメイクで
どんな髪型、髪色で
どんな香水をつけて
どんな鞄を持っていく?

そうしたら
私の隣に
どんなパートナーがいるんだろう?

どんな友達がいるんだろう?

どんな人生があるんだろう?

すべては波動
感情のエネルギー
エーテル。


私がワクワクした洋服は

私をどんなふうに表現するのかな。