ピエロがわたしを見てくれない 週末夜の街に素通りされつづける ピエロ おどけた身振り ペイントされた涙 でもわたしのことは見てくれない 僅かなサインをこうして 送っているのに 気が利かないやつ ほんの少しだけ見つめてくれたら わたしも素通りできるのに バスに乗ったら プラダのバッグを開けましょう 手に入れたものなんて こんな時くらいしか役に立たないから
遠吠えを聞きながら篭絡すべき日々の実情は 例えば夜 見えなくなった梢の先にある 何が泊まっているのか分からない 半月は群青に泳ぐも 助 けとなる前に身体を獣に変えてしまう 煙草に火を点し腐った白い息を吐けば これを篭絡と言い 酒を酌んで口元を歪ませた わたしは 一日を過ぎた針の音を聞く 遠吠えが木霊している
私は詩人です私は詩人です 私は息をする詩人です 私は海に住んでいます 私はペンとノートを持っています (私のそばに虫が蠢き 私の声に誰も気づかない) 私は水を飲んでいます 私は海を見ています 私はときどき眠ります 私は陽炎う空と交わります (私の酔いは隠され 私の言葉は意味を失う) 私は言葉を失います 私は上手くしゃべれない詩人です 私は顔を隠しています 私は海と雨を間違えます (私の前に雨は降りしきり 私の喉はいつも渇いている)